韓国関税庁は最近、「2024知識財産権侵害取り締まり年間統計報告書」を発刊した。参考までに、韓国関税庁は2015年から毎年、通関段階で摘発した知財権侵害物品の現況を、知財権の種類別、通関形態別、品目別、仕向国別等に分析して報告書の形で発刊している。
当該報告書によると、2024年に韓国関税庁が摘発した知財権侵害輸入件数は合計102,219件と前年に比べ19.9%増加し、物品の数量では143万点、重量では230トンに達する。最近5年間の摘発件数の推移は下表を参考にされたい。

2024年の報告書の主な内容は、下記の通りである。
* 知財権の類型別に見ると、商標権侵害が10万1344件で全体に占める割合が99.1%と圧倒的に多く、これは前年に比べ21%も増加した数値であった。デザイン権・特許権侵害は824件、著作権侵害は51件であった。
* 搬入経路を見ると海外からの直接購入摘発件数は8万6873件で全体の85%を占めた。特に海外からの直接購入を通じた摘発数量は73万3000点と前年に比べ114%も増加しており、個人の直接購入による搬入が深刻な水準であることを示している。一方、郵便物による搬入は3,558件と前年に比べ54.4%も減少した。
* 摘発品目を見るとカバン類が3万1236件(30.6%)で最も多かった。次いで履物類が2万6323件(25.8%)、衣類が1万4218件(13.9%)、家電製品が5,791件(5.7%)、身辺雑貨が5,227件(5.1%)、玩具類及び文房具類は4,414件(4.3%)であった。玩具類及び文房具類の場合、2022年は346件、2023年は752件、そして今年は4,414件と急増している点が目立つ。
* 仕向国は中国(香港を含む)が9万8192件で全体の96.1%を占め、前年同様圧倒的に1位であった。続いてベトナム(3247件、3.2%)、オーストラリア(369件、0.4%)、タイ(145件、0.1%)の順であった。
* 運送形態別には航空輸送での摘発が6万3734件と前年に比べ12.5%増加し、海上輸送は3万8485件と前年に比べ34.6%増加した。航空輸送が全体の62.3%、海上輸送が37.7%を占めており、航空輸送での搬入がメインとなっている。
* 一方、知財権者の税関申告の現況を見ると、2024年末基準で合計2万4787件が申告され、商標権(46.87%)、デザイン権(26.62%)、著作権(25.96%)の順となっている。