2025年7月3日、アルバニア議会は、新しい商標法および新しい特許・実用新案・補充的保護証明書(Supplementary Protection Certificate: SPC)に関する法律を採択した。これらの法律は2025年8月16日に施行された。
改正法は、商標に関する規制を、従来の産業財産全般を包括する法体系から独立させるもので、実体的にも手続的にも重要な強化が導入されている。特に、模倣品に対する執行措置が強化されたこと、悪意による出願を防止するための明確な仕組みが設けられたこと、並行輸入に対する規制・管理も拡充されたことにより、商標権者はより効果的な保護手段を利用できるようになった。
さらに、今回の法改正はアルバニアのEU加盟プロセスにおける重要な前進を意味するものとなる。
商標に関する主な改正点
* 国内消尽(national exhaustion)が明記され、国境措置で並行輸入を差し止めることが可能となった
* 代理人による無断出願は禁止され、そのような出願は正当な商標権者に返還させることができる
* 商標権者の権利を侵害するおそれのある商品・サービスに関連して使用される包装、ラベル等への使用に関する準備行為を差し止める権利を有する
* 類見出しを指定商品・サービスに記載する場合は文字通りに解釈される
* 使用証拠は異議申立てや無効審判において決定要因になり得る
手続きに関して:
* オフィスアクションへの応答期間は2か月に短縮
* 審決に対する不服申立て期限は45日に延長
* 異議に基づく暫定拒絶に対する応答期間は4か月に延長
* 異議手続は、和解交渉のために最長12か月まで中断できる
* 更新手続きは、権利満了日の12か月前から申請できる
国際登録に関して:
* 国際登録は方式審査(Formal Examination)の対象となる
* アルバニアを指定する団体商標と証明商標の国際登録については、その登録を有効にするため、商標権者は対応する規約をアルバニア知的財産庁に提出する義務がある
* 国内登録を国際登録に置き換えることが可能となる
(Source: albanianipmatters.al, www.cwbip.com)