2025-11-06

EU:ナイキのロゴマーク「スウッシュ」には手を出すな - Knijff Trademark Attorneys

スピード感や躍動感を長年にわたって表現するシンプルで流れるような線とは、もちろん、世界的に有名なナイキのロゴマーク「スウッシュ(Swoosh)」のことだ。1971年にグラフィックデザイナーのキャロル・デイビッドソンによってデザインされたスウッシュは、世界で最も認知度の高いシンボルの一つとなった。認知されすぎているため、単体で表示されることも多く、「Nike(ナイキ)」という文字がなくても、誰もがその意味を理解する。
最近、この象徴的なロゴマークは法的紛争の中心に立たされた。

欧州連合知的財産庁(EUIPO)の異議部は、中国企業 Quanzhou Suhan Trading Co. が出願した「RANE SPORTS」ロゴの商標登録を拒絶した。ナイキによれば、当該ロゴはナイキの有名なスウッシュにあまりに類似しているという。「RANE SPORTS」のロゴも曲線を用いていたが、方向は逆向きであり、「RANE SPORTS」という文字も含まれていた。見たところ十分に区別できるように思えるが、EUIPOはそうは判断しなかった。

 

EUIPOは、両ロゴの外観的類似性は限定的であることは認めつつも、ナイキのスウッシュの圧倒的な評判が決定的な要因になると判断した。この名声により、消費者は「RANE SPORTS」のロゴをナイキと関連付けて認識する可能性が高く、出願人が争点となった商標を使用することで、自社の評判を構築する努力なしに、スウッシュの魅力や肯定的イメージを不当に利用し、ナイキの評判にフリーライドすることになるとEUIPOは判断したのである。

その結果、中国企業の出願商標は全面的に登録を拒絶された。今回の決定は、著名商標が享受する強力な保護を浮き彫りにしている。ロゴが消費者に象徴的ブランドを思い起こさせる場合、それだけで懸念の理由となる。そして公平に言えば、私たちも「RANE SPORTS」のロゴを見た瞬間、スウッシュを連想したのも事実だ。

本文は こちら (Hands off Nike’s Swoosh)