2025-12-10

モルディブ:初の商標法を制定、12か月のカウントダウン - Chadha & Chadha IP

モルディブ共和国では、2025年11月11日、大統領モハメド・ムイズ(Mohamed Muizzu)が商標法案に署名・承認後、商標法(法律第19/2025号)が官報に公布された。商標法は公布日から12か月後、すなわち2026年11月11日に施行され、その後さらに12か月の期間が設けられ、既存の商標権者は自らの商標を再登録することが求められる。これにより、モルディブでは長年の慣行であった「新聞紙上に警告的告示(Cautionary Notice)を掲載することで権利を主張する方法がとられてきた」ことに代わり、初めて包括的かつ登録主義に基づく商標保護制度が導入されることとなった。公式のプレスリリースは(こちら)。 

ルディブ初の商標法:ブランドオーナーへの12か月のカウントダウン
* 先願主義の導入
権利の帰属は主として出願日を基準として決定される。絶対的拒絶事由および相対的拒絶事由の双方に基づく審査が行われ、著名商標には特別の保護が与えられる。
* 存続期間と更新
登録は、出願日または登録日から10年間有効であり、その後は10年ごとに継続更新が可能となる。
* 権利者のための移行措置
現在「警告的告示」に依拠している商標権者は、保護の連続性を確保するため、同法の施行日から12か月以内に商標登録出願を行う必要がある。
* 権利行使の手段
権利者は民事上の救済手段(差止命令、損害賠償、侵害品の破棄または撤去を含む)、模倣行為に対する刑事制裁、税関による水際措置を利用できるようになる。
* 規制整備のロードマップ
所轄当局は、同法施行日から6か月以内に、必要な施行規則およびガイドラインを作成し、官報において公布することが求められる。

求められる企業のアクションプラン
* 商標ポートフォリオの点検
現在「警告的告示」により保護されている商標を特定し一覧化する。
* 移行期間中の出願準備
2026年11月11日に開始される12か月の移行期間内に、商標登録出願を行えるよう準備し、保護の継続性を確保する。
* 内部プロセスの整備
新制度に合わせ、権利行使・ポートフォリオ管理を含む内部プロセスの見直しを検討する。

本文は こちら (Maldives Adopts First Comprehensive Trademark Legislation: 12-Month Transition Period for Brand Owners)