2025-12-16

EU:ラコステはアジアのワニにも牙をむく - Knijff Trademark Attorneys

二匹のワニと漢字の標章を、台湾企業が衣料品、履物および関連する小売サービスを指定して、EUIPOに商標登録出願した。

衣料品にワニのロゴ?それは即座にラコステの商標担当チームの目に留まることになる。ラコステは、その象徴的なブランドにただ乗りしようとする者を排除するため、類似する図形標章の取得を試みるあらゆる者に対して、悪名高いほど警戒を怠らないことで知られている。

ラコステは直ちに異議申立てを行った。ラコステは、消費者が両商標の間に関連性を見出し、その結果、台湾企業がラコステの名声から利益を得ることになると主張した。この点を立証するため、ラコステは自社ブランドの著名性に関する膨大な証拠を提出した。

本件異議申立てにおける中核的な争点は、両商標が十分に類似しているか否かである。ロゴにワニが含まれている点は共通している。だが、ラコステは「すべてのワニ」に対して行動を起こせるのだろうか。たとえ外観が似ていない場合でも…。しかも本件では、ワニが二匹描かれている。

欧州連合知的財産庁(EUIPO)は本件を審理し、まず、ラコステのワニのロゴが衣料品、特にポロシャツに強い評判を有していることを認め、「高度な識別力を備えた強力な標識」であると評価したが、その上で両商標は外観的には中程度の類似性にとどまると判断した。一方、観念的には高度に類似しているとした。この程度で、消費者が両商標間に心理的な連想を形成するのに十分なのだろうか。EUIPOの答えは肯定的である。 

異議申立ての一部は容認された。すなわち、類似するワニの図形の使用は、出願商標がラコステの評判から不当な利益を得ることを可能にする、という判断である。

もっとも、輸出入、広告、オンライン・マーケティングといったサービスについては、ラコステの事業内容からあまりに隔たりがあり、これらの役務に関して消費者が両商標を結び付けて想起する可能性は低いとした。したがって、これらのサービス区分については商標登録が認められることとなった。

それでもなお、出願商標に漢字が含まれ、かつラコステの象徴的なワニとは一見して異なる特徴を備えたワニであっても、ラコステは「攻撃」を緩めない。強力な評判を有するブランドとは、まさにそういうものである。

本文は こちら (Lacoste goes after Asian crocodiles too)