2026-01-16

ベトナム:画期的な知的財産法改正案を可決、4月1日に施行 - TTilleke & Gibbins

ベトナム国会は2025年12月10日、知的財産法の広範な改正案を承認した。これは、近年の同国の知財制度において最も重要な刷新の一つとなるだろう。

今回の改正は、既存の規定を補完・洗練させるものであり、権利者や法律事務所が直面している実務上の課題に対処しつつ、ベトナムの法体系を国際基準により密接に適合させるよう設計されている。なお、本改正法は2026年4月1日に施行される。

商標に関するものは以下の通り;
1. 実体審査の一時停止(Suspension of substantive examination)
 知的財産庁は、以下の二つの場面において、出願商標の実体審査を一時的に停止することができる。
* 出願人の申請に基づく場合:法律に定められた条件の下で、商標登録証の無効又は取消を求める申立てを行うための期間を確保することを目的として、出願人からの申請により実体審査を一時停止することができる。この場合、当該無効又は取消の申立てについての手続が解決した後、実体審査は再開される。
* 第三者による訴訟に関し裁判所が管轄通知を発出した場合:第三者が、悪意で出願されたと主張されている商標に関して提起した訴訟について、裁判所が管轄権を有する旨の通知を発出した場合には、知的財産庁は実体審査を一時停止することができる。この場合、法的効力を有する判決又は決定が下された後に、実体審査が再開される。

2. 民事的執行措置と模倣品対策(Civil enforcement measures)
 改正知的財産法は、知的財産権侵害を抑止することを目的として、新たな民事上の救済措置を導入している。関係当局は、政府により定められる限定的な場合を除き、模倣商標を付した商品(counterfeit trademarked goods)や海賊版製品(pirated products)の廃棄を命ずることができる。
さらに、これらの商品の製造に使用された原材料、部品及び設備についても、権利者が自己の知的財産を利用・活用する能力を損なわないことを条件として、廃棄されるか、又は非商業目的での使用に転用されなければならない。

3. 法定期間に関する主要な改正点(Key Amendments to Statutory Timelines)
 知的財産法改正により、ベトナムの知的財産制度における複数の手続期限が短縮された。
出願の公告
 意匠、商標及び地理的表示の各出願は、方式審査で有効と認められた日から1か月以内に官報に公告される。
異議申立期間
 意匠及び商標については、公告日から3か月以内に異議申立てを行わなければならない。
実体審査期間
 商標、意匠及び地理的表示については、実体審査は5か月以内に完了されるものとされている。また、 特許及び商標出願については、出願公告日から3か月以内に、出願人は実体審査の迅速化を請求することができる。

改正知的財産法の施行日(2026年4月1日)以前に提出された出願については、原則として、当該出願提出時に施行されていた法令の規定に基づいて処理される。

最後に
 2025年のベトナム知的財産法改正は、同国の知的財産制度において決定的な転換点を画するものである。
 本改正は、非物理的デザインへの保護の拡張、国家資金による研究開発成果の権利帰属の明確化、行政的・司法的執行の強化、並びにデジタル領域における救済手段の拡充を通じて、国際基準との一層の整合を図るとともに、国内における権利行使・執行上の課題に対処しようとするベトナムの意欲を明確に示している。

特許等を含む全文は こちら (Vietnam Enacts Landmark IP Law Amendments)