「KangaROOS」は、スポーツ用の靴や衣料品の分野において、数十年にわたり確立された名称である。
「KangaROOS」ブランドは、様式化されたカンガルーの図形と不可分に結び付いており、図形商標として多くの国で登録されている。今回、サーフ中心の衣料ブランドが、ボードを抱えた新たなカンガルー図形を欧州連合商標としての登録を求めたことから、被服と履物の分野においてカンガルーの図形を使用する場合に許容される裁量の範囲がどこまで及ぶのか、という問題が生じた。
出願人は、カンガルーを側面から描き、腕の下にサーフボードを抱えて、単純な白黒のシルエットで表現する構成を採用した。一見すると、サーフボードを加えたことで明確なバリエーションを創出しているようにも見える。しかし、この付加的要素が存在するにもかかわらず、全体的印象はなお類似すると判断された。

標章の対比において、欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、商品との関係ではカンガルー自体は識別力を有する要素であると認定した。カンガルーは商品の性質や特徴を表示する記述的意味を有さず、両標章において視覚的な構成の中心を形成しているとされた。サーフボードについても考慮はされたが、それはサーフィンやライフスタイルのテーマを暗示するにとどまる弱い要素と評価された。また、カンガルーの態勢やデザインにおける軽微な差異は、両標章間に実質的な隔たりを生じさせるには不十分であると判断された。
相違点よりも類似点の方が支配的であり、かつ指定商品が同一であることから、EUIPOは混同のおそれが存在すると結論付けた。既存の他の登録例や、後願商標の名声に関する主張は、この判断を左右するものとはならなかった。そのような主張は、両標章が市場において現実に問題なく共存することを裏付ける具体的証拠が示されない限り、抽象的なものにとどまるとされた。
今回の決定は、ロゴの要部が大きく一致している場合には、付加的に加えた細部だけでは通常十分ではないことを示している。とりわけファッションブランドにとっては、強固かつ持続可能な商標戦略を策定・登録するに当たり、重要な考慮事項となる判断だ。
本文は こちら (Is this kangaroo jumping too close to another brand?)
