2026-02-18

EU:名前に関する権利について、「ベッカムブランド」と商標 - Marks & Clerk

今週最大のセレブリティ関連ニュースは、デビッド&ヴィクトリア・ベッカム夫妻の息子ブルックリン・ベッカム(BROOKLYN BECKHAM)がInstagramを通じて、両親との関係修復を望んでいないと表明したことを受けて報じられた、いわゆるベッカム家の確執であることは間違いない。その中でブルックリンは、「自分の名前に関する権利を放棄する書面に署名するよう、繰り返し圧力をかけられ、さらには袖の下まで使おうとしたと述べている。

この点について、BBCの記事が指摘しているとおり、ブルックリン・ベッカムが具体的にどのような「権利」を指しているのかは必ずしも明確ではない。しかし、「BECKHAM」に関する各種商標が有する明白な経済的価値、これまでの投資、評判および重要性を踏まえれば、商標権利者が、第三者がそこから利益を得ることを防ごうとするのは、ある意味で理解可能であろう。ベッカム家の複数の構成員および関連事業体は、2000年にまで遡る広範な商品および役務を対象として、「BECKHAM」を含む登録商標を保有している。

特に注目すべきは、2016年に「BROOKLYN BECKHAM」というEU商標が登録されている点であり、その名義人は明確に「Victoria Beckham, as parent and guardian of Brooklyn Beckham(ブルックリン・ベッカムの親権者・保護者としてのヴィクトリア・ベッカム)」とされている。このことからすると、ブルックリン自身は自らの名前に関する商標権を保有していない、と評価することもできる。

この状況と比較し得る著名な事例としては、ファッションデザイナーのカレン・ミレンが挙げられる。カレン・ミレンは、自身のファッション事業を売却するにあたり、第三者に対してすべての権利を譲渡した結果、その後、自分の名前を使用できなくなった。同様に、チェルシー・フットボール・クラブは「JOSE MOURINHO(ジョゼ・モウリーニョ、元チェルシーFC監督)」という商標を保有していたため、モウリーニョがマンチェスター・ユナイテッドへ移籍した際、マンチェスター・ユナイテッドはモウリーニョの名前を用いてクラブの公式グッズを販売することができなかった。これは、チェルシーが引き続き当該商標権を保有していたためである。このように、自身の名前が第三者の所有に帰している場合、商取引や事業活動の観点から、極めて複雑かつ危険な状況を生み得る。 

商標は、極めて重要かつ高い価値を有するブランド資産である。通常、ブランド全体の評価においては、その一要素にすぎない場合が多いものの、本件、すなわちいわゆる「ベッカムブランド」に関しては、その重要性を過小評価すべきではない。

なお、ブルックリンは、結婚式の数週間前にも、両親から「自分の名前に関する権利を放棄するよう、繰り返し圧力をかけられ、袖の下まで使おうとした」と主張している。

本文は こちら (What’s in a name? Trade marks & ‘Brand Beckham’)