Corona(コロナ)が強力なブランドであることは疑いの余地はない。
その名称、透明なボトル、ラベル、そして全体的な外観によって、このビールは多くの消費者にとって即座に識別可能だ。しかし、その構成要素の一つ一つについても同様のことが言えるだろうか。
今回は、Coronaブランドを展開するGrupo Modeloが、Coronaラベルの一部である図形要素を欧州連合商標(EUTM)として登録しようとした事案で生じた争いである。問題となったのは、上部に王冠が描かれ、その下に「LA CERVEZA MÁS FINA」という文字を配した黒色の円形図形である。このような要素は、独立して商標として機能し得るのか。
EU知的財産庁(EUIPO)によれば、答えは否である。
スペイン語圏の消費者は、「LA CERVEZA MÁS FINA」という語句を直ちに「最高級のビール」と理解する。これは品質についての単なる称賛的表現にすぎず、まさにすべての市場参加者が自由に使用できる状態に置かれるべき種類のメッセージだ。したがって、この表現は記述的であり、識別性を欠いている。出願商標が図形要素を含むという事実も、この結論を左右するものではない。
EUIPOの拒絶査定に対しGrupo Modeloは不服申立てを行い、本願商標は単なる文字の集合ではなく、王冠と通常とは異なる円形図形との組合せにより、全体として識別可能であると主張した。
EUIPOは、商標は全体として評価されなければならないことを認めつつも、本件では図形要素が付加するものは極めて限定的だとし、王冠は、品質や優位性を示すために一般的に用いられる図柄であり幾何学的な形状は主としてスローガンの背景として機能しているにすぎなく、これらの要素を総合しても、語句の意味を変容させるものではなく、むしろその意味を補強するものにすぎないとの判断を示した。
さらに、識別力のハードルは低いという主張も認められなかった。EUIPOによれば、本件商標はその最低基準すら満たしておらず、ビール瓶のラベルという最も想定されやすい使用形態において、消費者はこの商標を商業的な出所表示としてではなく、宣伝広告的なメッセージとして認識するからだ。
「Corona」が著名ブランドであるという事実もこの評価を覆すものではない。争点は、「Corona」商標が付された瓶の全体的外観(Trade dress)ではなく、特定の構成要素のみにあるからだ。
本決定は、実務上の重要な論点を浮き彫りにしている。
強力なブランドを有しているからといって、その構成要素のすべてを当然のように独占できるわけではない。一般的かつ称賛的なスローガンは、たとえそれが魅力的な図形様式で示されたとしても、依然として記述的な性質を保持し続ける。
単独の図形要素について保護を求める者は、それが単に商品を宣伝する以上の機能を果たし、実際に出所表示として機能することを立証する必要がある。
本文は こちら (La cerveza más fina: the best beer, but also the best trademark?)
