「Uberを呼べばいいじゃないか。」
大都市では、この言葉を至るところで耳にする。街中でも、パブでも、友人同士の会話でもだ。商標実務家としては、ブランド名の普通名称化的使用を指摘したくなるのが職業的反応であろう。しかし、実際のところ、たとえ親友であっても、そのような指摘には耳を貸す人は少ないのが現実だ。
数回のタップで配車を予約するアプリとして始まったサービスは、その後、配車事業からデリバリーに至るまで、複数のバリエーションを備えたプラットフォームへと成長した。このような事業拡大は、しばしば商標ポートフォリオにも反映される。出願時には、「コンピュータソフトウェア」「通信」および関連サービス一式といった広範な用語を用いて、指定商品・サービスの範囲を包括的に定めるのが一般的である。これは、将来的に商品やサービスが拡張された場合に、商標権の保護範囲が限定されることを防ぐという点で有用である。
もっとも、このような広範な指定には弱点がある。登録商標が実際に使用されていない場合、第三者から不使用を理由とする取消しを請求され得るからだ。そして、まさにそれにUBERが直面した。ドイツ企業である Serviceplan Group SE は、欧州連合商標の文字商標「ÜBER」について、不使用を理由とする取消しを請求した。これにより、決定、審判請求、差戻し、そして再度の決定に至るまで、数年にわたる手続が展開されることとなった。
不使用取消手続においては、立証責任は商標権者側にある。すなわち、登録された各商品・サービスごとに、当該商標が「どこで」「いつ」「どのように」「どの程度」実際に使用されたかを、客観的証拠により具体的に立証しなければならない。重要なのは、これがカテゴリー単位で要求される点である。本件一連の決定における核心的争点は、「コンピュータソフトウェア」という指定が、どの程度まで下位カテゴリーに分割され得るかという点であった。UBERは、一般的なソフトウェアについても、車両計画用ソフトウェアについても商標を登録していた。特定のソフトウェア・アプリケーションについての使用は、広範な「ソフトウェア」という指定全体の使用と評価し得るのか。それとも、当該特定ソフトウェアは独立した下位カテゴリーとみるべきか。この点について、欧州連合知的財産庁(EUIPO)の取消部は後者の立場を採用した。
UBERは、アプリストアのスクリーンショット、ランキング情報、新聞記事、ソーシャルメディア投稿、請求書、使用および売上に関する宣誓供述書など、相当量の証拠を提出した。しかしながら、当該商標の使用は特定の製品に限定されていると評価された。より広範なカテゴリーについて、EUIPOは使用を裏付ける証拠がないと判断したのである。
実務上の教訓は明確である。広範な指定による出願戦略は、将来複数の用途展開が現実的に見込まれ、かつそれを裏付ける実際の使用を予定している場合には、依然として有用である。しかし、すべての指定商品・サービスについて実際の使用が伴わないまま過度に広範な登録を維持することは、不使用取消のリスクにさらされることを意味する。このリスクは、後日同一の商品・サービスについて再出願することで容易に回避できるものではない。なぜなら、そのような再出願は悪意に基づく出願と評価されるかもしれないからである。したがって、商標出願に際しては、自社の業務計画および長期的戦略を十分に検討した上で、指定範囲を慎重に定めることが重要である。
本文は こちら (The UBER lesson: broad registration alone isn’t enough)
