玩具用ドローンやエンターテインメントを指定してたEUで出願された商標「GAMES OF DRONES」は、言うまでもなく機知に富んだネーミングである。
もっとも、「Game of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ)」側がこれを快く思わないであろうことは、「GAMES OF DRONES」の商標出願に関与した企業も、おそらく予想できたはずである。というのも、「Game of Thrones」の成功はテレビシリーズにとどまらないからである。「Game of Thrones」は、エンターテインメントのみならず、玩具やゲームにも使用される著名なブランドへと発展している。
最近の異議申立手続において、「Game of Thrones」を所有するHome Box Office(HBO) は、文字「GAME OF DRONES」を含む図形商標の欧州連合知的財産庁(EUIPO)への商標登録に対して異議を申し立てた。

これに対して、EUIPO異議部は、「GAME OF DRONES」商標の登録を拒絶した。EUIPOによれば、指定商品・役務は同一であった。すなわち、玩具用ドローンはより広い商品区分である玩具に含まれ、エンターテインメント、教育および訓練といった役務は、先行して登録された「GAME OF THRONES」の役務と完全に一致するものであった。
商標の比較においても、出願人が不利に判断された。EUIPOは特に、ブルガリアとポーランドの需要者を考慮した。ブルガリアとポーランドの需要者は、英語を話す人々ほど「THRONES」と「DRONES」の意味上の差異を明白にできないとされたからである。そのような需要者にとって特に重要視されたのは、両標章がいずれも「GAME OF」で始まっている点、および最後の語が外観上および称呼上きわめて類似している点であった。すなわち、最後の語の冒頭における「TH」と「D」の相違は、混同のおそれを排除するには小さすぎると評価された。とりわけ、商品・役務が同一であることを踏まえると、その差異は十分ではないと判断されたのである。
興味深い点として、EUIPOは「GAME OF THRONES」が高められた評判を有することを認定する必要はなく、単に混同のおそれが生じるという点だけで、異議申立てを認めるには十分であった。その結果、「GAME OF DRONES」商標の登録は全面的に拒絶された。
今回の事件は、実務家にとって重要な教訓となる。すなわち、たとえそれがジョークやオマージュであることが明白であっても、著名なブランドをクリエイティブな手法で引用することは、法的に極めてリスクが高いということだ。とりわけ商品・役務が同一である場合には、わずかな差異を加えた程度では不十分と判断される可能性が高い。
