衣料品ブランドの「Original Penguin」は、数十年にわたり、ペンギンを自社ブランド・アイデンティティの特徴的要素として使用してきた。
したがって、Web3やNFTの分野で最初に知られるようになったブランド「Pudgy Penguins」によるペンギンのブランド使用に対し、「Original Penguin」などのブランドを所有するPEI Licensing(以下、「REI」)が批判的な姿勢を取っていることは驚くべきことではない。REIのブランドは伝統的なファッション業界において評価を築いてきたのに対し、デジタル・ブランドは近年、衣料品や関連商品分野へと事業を拡大している。まさにこの点において、両社の衝突が生じた。
最近提出された訴状において、PEIは、「Pudgy Penguins」の名称と視覚的表現が、PEIの先行商標「PENGUIN」に過度に類似しているとして、両商標間に商業上の関係が存在すると消費者が誤認するおそれがあると主張した。
PEIはこれに先立ち、「Pudgy Penguins」の使用差止めを求める警告書(cease and desist letter)を送付していた。現在、PEIはフロリダ州の連邦裁判所に対し、米国特許商標庁に提出された「Pudgy Penguins」の商標出願を阻止すること、ならびに問題となる商品を市場から排除することなどを求めている。
法的観点から見ると、本件は商標法においてよく知られた問題、すなわち「混同のおそれ」の有無を中心に展開されている。「Pudgy Penguins」がNFTなどのデジタル世界に端を発しているという事情は、両当事者がいずれも衣料品を提供している、または提供する意図を有している場合には、十分な抗弁とはならない。同一の製品カテゴリーにおいて商標が競合する場合、後発ブランドが十分に識別可能であるかどうかが重要な判断要素となる。
本件は、実務家に商標戦略が当初考えていた市場だけで終わるものではないことを改めて想起させるものである。商品をデジタル環境から物理市場へと事業を拡大するブランドは、既存の登録商標および先行権利を事前に慎重に確認すべきである。同時に、既存のブランドにとっても、強力なコンセプトおよび認識しやすいブランディングを有し、短期間で市場に影響力を持ち得る新規参入者に対して注意を怠るべきではないことを示している。
デジタル発の新しいブランド・エコシステムは革新的に感じられるかもしれないが、商標法が保護しようとしているものと驚くほど一貫している。すなわち、「商品の出所」を明確に示すこと、そして「混同のリスク」を可能な限り低減することだ。
本文は こちら (Are digital penguins a threat to a clothing brand?)
