2026-05-13

韓国知識財産処、パブリシティー権侵害行為に対し不正競争行為防止法に基づき初めての是正命令 - Kim & Chang

2024年に不正競争行為に対して拘束力のある是正命令を出すことができる権限を与えられた韓国知識財産処(MOIP)は、最近、有名人の肖像及び氏名などの識別標識を無断使用するパブリシティー権侵害行為に対して初めての是正命令を発令した。今回の事件はK-POPアイドルなど有名人の名声に便乗する“フリーライド”行為に対応するために、費用及び時間面で効率的な行政的救済手段を活用することができるようになったことを示す画期的事例である。今回の措置は特にエンターテイメント及びコンテンツ産業全般の権利者に実質的な利益を提供することが期待される。

改正された不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律(不正競争防止法、UCPA)により、知識財産処は申告または職権に基づいて開始された行政調査を通して不正競争行為が確認される場合、中止及び是正措置を命令できる。このような不正競争行為には出所混同の誘発、商品形態の無断模倣、他人のアイデア窃取、そしてパブリシティー権侵害などが含まれる。パブリシティー権侵害は2022年6月8日に施行された不正競争防止法(以下改正法)により不正競争行為のひとつと明示され、集計によると、2023年から2025年まで“出所の混同”に次いで二番目に頻繁に調査された不正競争行為の類型であった。

過去、知識財産処は拘束力がない“是正勧告”のみを発することが可能であったが、勧告案の約3分の1が履行されてないという批判が提起されてきた。これを受け、現在の法執行体系では、知識財産処が是正措置を要求できるだけでなく、正当な事由なしでこれを履行しない場合は最大2,000万ウォンの過料を賦課することができるようになり、行政的執行の実効性と抑制力が強化された。また、関連民事事件を担当する法院は知識財産処に行政調査記録の一切を要請することができ、改正法により両当事者ともに当該記録を閲覧できるようになることにより、今後訴訟手続における証拠確保の効率性も高まることが予想される。

改正法による今回の初めての是正命令事例で、知識財産処は、4業者が6つの有名K-POPグループ及び41人のアーティスト名と肖像が含まれたフォトカード、ステッカー及びその他グッズを無断で製作・販売した事実を確認した。これらの製品は様々な地域のオフライン店舗とオンラインプラットフォームを通じて販売された。業者らは2025年4月に侵害行為を中止すると約束したにもかかわらず販売を継続し、販売量は数千個に達すると推定された。知識財産処はこのような行為が公正な取引秩序や競争慣行に反して経済的価値を有する他人の識別標識(氏名、肖像、音声、署名など)を無断使用する不正競争行為に該当し、これによりアーティストと所属会社の経済的利益を侵害したと判断し、2024年8月に導入された是正命令制度を発動して侵害製品の即刻販売中止、残余在庫の廃棄、今後の類似行為の再発禁止、及び再発防止のための4時間の遵法教育の履修を命令した。

今回の初めての是正命令は、2025年10月1日に特許庁が知識財産処に昇格したこととも相俟ってその役割における重大な変化を示唆し、今後パブリシティー権侵害及び関連商業的盗用行為などの不正競争行為への対応において知識財産処がより積極的な役割を果たしていくことを予告するものである。