2016-08-12

韓国:不正競争防止法一般条項関連の高等法院判決- by Kim & Chang

-パロディバッグ販売禁止及び売り場のトレードドレス保護-

韓国では新しい類型の不正競争行為に対し不正競争防止法の一般条項を適用した一審判決を支持する高等法院判例が続いており、これについて紹介する。

1.不正競争防止法上一般条項及び趣旨                    従来の不正競争防止法は不正競争行為類型に限定列挙主義を取ることによって、社会の変化によって現れた新しく多様な類型の不正競争行為を適切に規制できない限界があり、これを解消しようと2014年1月31日に施行された不正競争防止法では一般的な不正競争行為を規制する条項を新設した。                         同条項は、「競争者が相当な労力と投資によって作成された成果物を商道徳や公正な競争秩序に反して自身の営業のために無断で利用することによって競争者の労力と投資に便乗して不当に利益を得て、競争者の法律上保護する価値がある利益を侵害する行為」を包括的な不正競争行為のある類型に追加し、競争者が市場で公正に競争をすることの基礎になる「法律上保護する価値がある利益」に対する保護の空白をなくすことをその趣旨としている。

2.不正競争防止法の一般条項が適用された高等法院判例             1)HERMES事件(ソウル高等法院2016.1.28.言渡し2015ナ2012671判決-確定)   詳細は こちら

2)あんぱん事件(ソウル高等法院2016.5.12.言渡し2015ナ2044777判決-大法院係属中)                                    詳細は こちら

コメント                                  本判決は製品デザイン及び売り場の形態と外観、内部デザイン、装飾、表示板など「営業の総合的イメージ」すなわち「トレードドレス」に関して、不正競争防止法の一般条項を適用することができるかどうかを判断した高等法院の判決で意味がある。商標権や意匠権などの登録権利を保有していない場合でも、相当な投資や労力で作られた「法律上保護する価値」に対する侵害行為に対し、不正競争防止法の一般条項を適用して、より積極的な制裁が可能になった点で意味がある。