皆が知っているドーナッツは、丸くて中が空洞の甘いお菓子だが、スペインでドーナツ(Donuts)と言えば99.7%の人は ’Panrico Donuts’ を指すらしい。 不思議なことかもしれないが、ある国の一般的な名称が別のある国では識別力を持つということは時々見られる。’ugg’ がいい例で、オーストラリアでは羊皮靴の一般名称だが、他の国で ‘UGG’ は履物ブランドとして識別力を持つ。’Plakkies’ は南アフリカではサンダルの名称だが、ドイツやオランダでは商標として登録されている。文字商標の識別性を見るとき、文字自体に関する知識や関係分野の人々の見解から判断しなくてはならない。 スペインの ’Panrico’ のケースでは、著名商標 ‘Donuts’ の権利者の持つ商標は強力なものであり、然るべく、この企業はスペイン・ドーナツ(Doughnuts:ドーナツの一般名称)の図形商標に対しての異議を成功させた。EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、スペイン・ドーナツ商標が先登録商標 ‘Donuts’ の名声にただ乗りしている虞があると判断した。*‘Donuts’も’Doughnuts’ も日本語では同じドーナツだからさらにややこしい。
本文は こちら (Watch out with Spanish Donuts)