2017-03-05

米国のIP被害はGDPの1.3%~3.3%、模倣品の87%は中国から

米国知的財産権窃盗に関する委員会(Commission on the Theft of American Intellectual Property、以下「本委員会」)は2017年2月27日(月)に「IP委員会報告書」の2017年版を以下のように発表した。

2013年に本委員会が初めて報告書を発表して以来、米国の累積損害額が1兆2000億ドル以上に達しており、米国にとって重大な脅威となっている。また、米国経済に対する模倣品、海賊版ソフトウェア、および営業秘密の盗難に関する年間損害額は「継続して2250億ドル超」で「最大6,000億ドルまでの可能性がある」であり、損失額の内訳は、企業秘密の盗難が1800億ドルから5400億ドル、模倣品が290億ドルから410億ドル、海賊版ソフトウェアが180億ドルである。

なお米国に輸入された模倣品の87%は中国(香港を含む)から持ち込まれたものであった。OCEDとEUIPOの調査によると税関で差し止められた模倣品の95%は商標権を侵害するもので、特許権を侵害するものは2%程度であった。これからの課題としてサイバー犯罪によるIP盗難に対するコストが急増している現実もある。重要なことは、営業秘密やその他の知的財産が競合他社によって盗まれることで、イノベーションに必要な投資の短期的、長期的な損失が、米国企業の世界的競争力を低下させることである。

報告書は こちら