2017-03-16

2016年の仲裁申立件数が記録更新 - WIPO

WIPO(世界知的所有権機関)は2016年に統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP)に基づきWIPO仲裁調停センターへ申立てられたドメイン名の仲裁案件が、対前年比10%増加し3,036件と過去最高記録を更新し、対象ドメイン数も対前年比23%増の5,374件であった、と発表した。gTLDでは、.COMに関するものが67%を占め最も多く、次いで新gTLDの.XYZの7%が第2一なっている。また、申立件数のうち、新gTLDのサイバースクワッティングに関するものが16%を占めている。現在運用されている新gTLDは1,200以上となり、340以上の新gTLDが2016年に新たに運用が始まった(例、.GAMES、.SHOP、.STREAM)。新gTLDで申立てが多かったのは、.TOP(4位)、.CLUB(6位)、.ONLINE(7位)であった。
国別の申立人では米国からが895件と圧倒的に多く、次いで欧州各国が多く申し立てている。日本からは15件で22位であった。国別の被申立人も米国が680件と最も多くなっているが、第2位は中国の473件となっている。日本は申立件数よりも多い41件で17位であった。最も多くを行った申立人はフィリップモリスの67件であった。
WIPOのフランシス・ガリ(Francis Gurry )事務局長は次のように述べている。「世界中でサイバースワッティング事件は増加しており、商標権者と消費者の間で継続的な警戒が必要だ。仲裁の中には、かなりの数のネット模倣事件が含まれていることから重要度は増している。このようなケースでは、WIPOはドメイン名を正当な商標所有者に戻すことを支援することで、消費者を保護していきたい。」
補足:WIPOが扱うドメイン名紛争は、gTLDと一部のccTLDに限られており、仲裁にUDRPではなく、独自ルールを掲げているドメイン名は、この統計には含まれない。
本文は こちら (WIPO Cybersquatting Cases Hit Record in 2016, Driven by New Top-Level Domain Names)