以前アップルがiWatch発表したあと、スウォッチとアップルは互いに敵対する仲だった。当時スウォッチはすでに「iSwatch」という商標を登録していたため、最終的にアップルは別の名前を選んだ。それにもかかわらず、アップルは一部の国で「iWatch」商標を出願した。スワッチの商標の強さを確かめるためだったのだろうか。
今回は前回と攻守が入れ替わった。アップルのスローガン「Think Different」に一見似ているようなスウォッチの商標「Tick Different」は、アップルにとって愉快なものではない。アップルはスウォッチによって出願された商標「Tick Different」に対してさまざまな異議を申立てた。異議申立てを行ったチェコ共和国では、この異議の対する結論が出ている。チェコ商標局は、商標は適度に類似しているものの、指定商品は類似していない(アップルは9類だがスウォッチは14類)として、アップルの異議申立を認めなかった。
アップルは審判請求し、「Think Different」は文法的に正しくなく、正しくは「Think Differently」であるが、この文法的な誤りがスウォッチにそのままコピーされている。また、スマートウォッチの存在を考慮すれば指定商品も類似すると主張した。
審判部はこの主張を採用しなかった。なぜなら、両商標の意味が違うことから観念が異なり、外観的にも称呼的にも商標は類似していない。なお、消費者が両商標の文法的誤りを理解する英語知識は持ち合わせていないため、文法上の誤りは商標の類否に無関係である。また、商品は類似しない。なぜなら、商品の使用用途が異なっている。時計は多くの技術含むので “スマート”といえるが、時計は9類の電子製品ではない。これらから両商標の混同による混乱は起こり得ないとして、審判部は異議を認めなかった。続く?