2017-08-08

日本:商標審査便覧に家紋と著名な絵画等からなる商標登録出願の取扱いを新設 - 特許庁

特許庁は、商標審査便覧に、42.107.06「家紋からなる商標登録出願の取扱い」と42.107.07「著名な絵画等からなる商標登録出願の取扱い」を追加した。

家紋については、現存する家紋の数が、一万紋以上とも二万紋以上とも言われており、既存の家紋の改変や新たな家紋の創作について法的な制約等がないことから、新たな家紋が次々に作り出されているのが現状である。そのため、すべての家紋について本取扱いの対象とすることは現実的ではなく、また、いわゆる現代家紋のように、現代になって新たに創作された家紋には生来的な識別力が備わっているものもあると考えられる。したがって、
対象となる家紋は、伝統的な家紋(戦国時代の武家の家紋、神紋、社紋、寺紋、宗紋等)とする。

対象となる「著名な絵画等」の「絵画等」とは、フレスコ、油彩、モザイク、ステンドグラス、水彩、素描、版画、水墨画、コラージュ等の技法により描かれた絵画であると、需要者が認識し得るものとする。なお、アニメーション・漫画・ゲーム等に登場する人物及びマスコットキャラクター等そのものは対象とはならず、これらのキャラクター等を客体として描いた絵画又はイラストレーションは含むとしている。例えば、絵本や児童書の挿絵の一場面等がこれに該当する。そして、商標の構成については、絵画等そのものでなくても、絵画等の主題部分の一部を抽出した構成からなると認識し得るものも含むものとしている。

また、「著名性」については、その作品や作者の名声、評価などを十分に考慮し、需要者に著名な絵画等として広く認識されているか否かにより判断する。その著名な絵画等の作者が現存するか否かは問わない。
絵画等の著名性は、例えば、次のような事実を総合勘案して判断する。
①絵画等を紹介する書籍等に掲載されていること
②美術館等において展覧会が開催されていること
③当該絵画等が掲載された画集等が出版されていること
④当該絵画等がテレビやインターネット等により広く紹介されていること
⑤当該絵画等の作者の周知・著名性

商標審査便覧は こちら
42.107.06「家紋からなる商標登録出願の取扱い」は こちら
42.107.07「著名な絵画等からなる商標登録出願の取扱い」は こちら