集佳が代理した「優質 滋生活」商標拒絶査定不服審判事件—「欺罔性があり、公衆に誤認を生じさせやすい」との判断方法
山東新希望六和集団有限公司は2015年10月30日に第29類「肉、干し肉、冷凍カエル腿、ブタ肉食品、肉片、肉缶詰、魚製食品、野菜漬物、牛乳製品、食用油脂」を指定商品として、商標局に第18200995号(左図)商標を出願登録した。商標局は「当該商標は「優質(優れた品質)」(という文字)を含み、指定商品に使用されると、商品の品質特性に対する消費者の誤認を生じさせやすいものであり、商標として使用してはならない」との理由により、『商標法』第10条第1項第(7)号の規定に基づき当該商標の登録出願に対して拒絶査定を出した。
山東新希望六和集団有限公司が上記拒絶査定に対して不服審判を請求したところ、商標評審委員会は、出願商標が全体として出所識別機能を有しており、公衆に誤認を生じさせやすいものではなく、欺罔性もないので、未構成『商標法』第10条第1項第(7)号のいう状況を構成していないと判断し、出願公告査定を行った。
【典型的意義】
標識に欺罔性があるか否かの判断は、関連する公衆の通常の認識を基礎として、商標の主要な識別部分を判断の切り口として、商標の呈する客観的な効果を総合し、全体として商標が商品の出所識別機能を備えているか否かを判断しなければならない。日常生活の経験又は関連公衆の通常の認識等に照らして誤認を誘うまでには至らない場合、『商標法』第10条第1項第(7)号規定の状況には該当しない。本件出願商標は商品の質を表す「優質」の語を含んではいるものの、商標を全体として勘案すると、出願商標は漢字「優質 滋生活」、英文「PREMIUM ROSE’S KITCHEN」および図形が組み合わされた商標であり、そのうち「滋生活」の3文字は造語として際立っており、「優質」の語は商品の品質を直接的に記述するものではなく、「滋生活」の語に対する修飾となっており、「優質滋生活」が意味するものは良質の生活を追求する一種の積極的な態度であって、これは同類商品に登録され商品の品質を直接的に表す「優質ゴマ」、「優質雑穀」等の語彙とはその本質が異なる。したがって、出願商標は「優質」の語を標識としてはいるものの、関連公衆の日常生活の経験に照らせば、これによって製品の品質特性に対して余分な期待を生じ、ひいては誤認を誘うことはない。出願商標は最終的に、商標全体として出所識別機能を有し、公衆に誤認を生じさせやすいものではなく、欺罔性もなく、『商標法』第10条第1項第(7)号にいう状況を構成していないと商標評審委員会に判断された。
本文は こちら