2018-07-30

使用証拠は日ごろの準備が大切! - Novagraaf

商標の使用証拠の提出を突然求められることがある。過去の使用を示すことがビジネス上難しく、十分な証拠を提出できないと、企業活動に支障をきたす重大な問題に発展することにもなりかねない。NovagraafのVanessa Harrowがベストプラクティスを解説する。
商標権は、ブランド所有者が使用証拠を示すことができない場合、不使用取消の申立てに脆弱であるといえるが、商標の使用を立証するのはこのためだけではない。
使用証拠が必要な場合とは;

* 使用によって獲得した識別力を示すことにより、記述性/識別性がないことを理由とした拒絶を克服するため
* 米国のように、使用が登録要件である登録を維持するため
* 第三者による不使用取消申請に対する防御のため
* 使用要件の対象となっている登録済みの権利に依存するため
* 使用によって取得された未登録の権利を行使するため
使用証拠は、商品/サービスに関連して、該当する地域と期間で、商標の使用を示さなければならない。この期間はケースで異なるが、現在使用中である証拠や、過去3〜5年以内の使用、登録当初に遡った使用を含めることができる。

準備不足
商標の使用に関する証拠を収集する必要性は、ブランド・プロモーションのライフサイクルの中で考慮されないことがしばしばある。そのような時に、商標の使用を示す証拠を2ヶ月間程度の期間で集めなければならない立場になったら慌ててします。最近のEUTM(欧州連合商標)の「真正な使用」の証明に関する記事で述べられているように、適切な証拠を提出しなければ、上手くいくものもいかなくなることさえある。

どんな証拠を準備すべきか?
提供しなければならない証拠は事例によって異なるが、原則として、以下の項目は使用証拠として非常に役立つであろう;* 商品にエンボス加工、印刷、転写された商標やその他に使用された商標を示す写真
* 商標を付したラベル/タグ(日付付きのデザイン図面や写真)
* 商標を付した梱包/保管または輸送用の箱(日付付のデザイン図面や写真)
* 商標を付したパンフレット、チラシ、価格表など
* 商標を付した会社の文房具(外部でも使用する場合)
* 商標を付した請求書
* 商標を付した展示カード/デバイス(日付付きのデザイン図面や写真)
* 商標を付した展示台等の写真
* 商標を記載した第三者の出版物や第三者による解説文
* 商標を記載した広告からの抜粋(印刷、オンライン、テレビなどを含む)
* 商標を付した車両または会社資産の写真
* 商標を記載したウェブサイトの引用

証拠収集のベストプラクティス
商標の使用を示す資料を保管しておくこと。最も強力な証拠は日付が記されており、使用している国も明確であること。
保管している使用証拠の評価には;
* 商標を表示しているか?
* 証拠から、商標がどの商品/サービスに使用しているかは明らかに分かるか?明らかではない場合、この情報をメモはしているか?
* 証拠に日付が表示されているか?そうでない場合,この情報をメモしているか?
* 証拠に場所が示されているか?そうでない場合、この情報をメモしているか?
* 証拠に機密情報が含まれているか?もしそうなら、機密情報を編集可能か?
使用証拠が毎年収集され安全に保管されていれば、いつ使用証拠を求められても、ケースに合う最良の使用証拠となる豊富な資料を用意していることになる。
By Vanessa Harrow, 4 July 2018

本文は こちら (Trademark tips: Preparing evidence of use )