韓国産業通商資源部貿易委員会は、6月21日、中国の白酒商標の類似商標品を韓国に輸入した韓国業者に対し輸入・販売中止、廃棄処分および課徴金付加などの重い制裁を課し関税庁に通関保留を要請したと明らかにした。
今回救済された商標「雪原」は、中国黒龍江省で製造される白酒(パイチュウ)の商標で、韓国では2015年7月、中国企業であるHEILONGJIANG HAILIN XUEYUAN BREWING CO., LTD.(黒竜江海林雪原酒業有限公司)と、輸入業者である韓国のガイングローバルという会社が共同で商標登録を取得したが、韓国のA社による登録商標の類似商標品「雪原山」の輸入行為が商標権侵害にあたるとして貿易委員会に不公正貿易行為の調査申請を行い、貿易委員会では調査の結果、A社の行為が不公正貿易行為に該当すると判断したものである。
今回のケースの場合、2018年1月18日に調査開始が決定されてから5ヶ月足らずで侵害業者に対し輸入・販売中止、廃棄処分および課徴金などの決定が下されたが、法院の判決より迅速に、かつ幅広い制裁が課せられたという点で、知識財産権保護手段としての貿易委員会の活用を再認識させただけでなく、貿易委員会が海外ブランドの保護のために国内の輸入業者を対象に制裁処分を下したという点でも注目を集めている。
今年に入り貿易委員会は、入浴用椅子の特許権/デザイン権侵害に対して輸入・販売中止、廃棄処分および是正命令事実公表の決定(1月18日)、衣類(レギンス)の商標権侵害に対して輸入中止、廃棄処分および是正命令事実公表、ならびに取引金額の30%に該当する課徴金賦課の決定(5月24日)を出し、またアニメーションを基盤にした玩具に対する著作権/商標権侵害調査を開始するなど、知識財産権侵害行為に対して積極的に制裁を加えており、近年の不公正貿易行為判定件数も2016年の9件から2017年には14件と増加傾向にある。さらに貿易委員会は2018年3月8日付報道資料を通じて、知識財産権侵害、原産地表示違反等の不公正貿易行為調査を一層強化するという方針とともに、不公正貿易行為に対する調査期間の拡大(現行の侵害発生日1年以内から2年に拡大)、業種別物品の輸出入監視および現場調査強化などの具体的な計画を発表しており、知識財産権侵害行為に対する貿易委員会の活動が今後より強化されていくことが予想される。(July 6, 201)