ブランドがその名前だけで知られる時代は終わった。今日では商品自体が持つユニークな特徴であるデザインや色彩によってブランドを誇示するようになった。それらには、アップルの欠けたリンゴの形状、クリスチャン・ルブタンのレッドソール、USPA(米国ポロ協会)の2人のポロ騎手のエンブレムなどがあり、リーバイス(Levi’s)のデニム商品にも当てはまる。リーバイスの場合は、右側のバックポケットの色付きタブでリーバイスだと認識できる。
リーバイスが、様々な国・地域で赤/白/黒色の社名入りタブを保護していることは注目に値する。最近、リーバイスは、カリフォルニアにあるコンテンポラリー・ブランド、イヴ・サンローラン(YSL:フランスの有名ファッションブランドの米国子会社)に対して訴訟を提起した。リーバイスの主張は、YSLがポケットタブを真似たことによって、リーバイスの商標を希薄化させており、一般的にバックポケットのタブと言えばリーバイスを想起する消費者間で混同を生じさせているというものだ。リーバイスは、1936年以来この小さなタブを他のブランドの商品と区別するために使用している。
リーバイスのタブはポケットの内側に縫い目があるが、YSLのタブはポケットの外側に縫い目がある。しかし、この違いについての知識がない平均的な消費者にとって、縫い目の位置の違いは、2つのブランドを区別するのに十分であるのかどうか、混同の虞がないのかどうか、まだ裁判所の判断は下されていない。もしこの2つのブランドの商品価格の違いによってマーケットが大きく分かれるのであれば混同の虞は小さくなる。この事件の今後が注目される。
本文は こちら (Devil Lies In The Detail While Levi’s Does In The Pocket Tab!)