米国の有名なウィスキーメーカー、ジャックダニエル(Jack Daniel’s)は、ジャックデービッド(Jack David)が不正に優位性を利用し、商標の評判を悪くすることを理由にジャックデービッドのEU出願商標に対して異議を申し立てた。第二の理由として混同の虞が生じるとした。
EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、まず不正な優位性の根拠を検討する。最初の問題は、ジャックダニエルが有名なブランドであるかどうかということで、多くの人は多分すぐに「はい」と言うだろう。しかし主張する人は誰でも立証しなければならないため、ジャックダニエルは説得力のある証拠を出す必要がある。これは、市場シェアの大きさと大きな販売量を証明する文書を提出することで上手くいった。
次に商標の類似性だ。興味深い問題だが、姓と名に基づく商標は、姓が同じになることは珍しいことではない。しかしEUIPOはまた姓の類似性を認めた:最初の“DA”は同じで、これは平均的な外観類似につながるというものだ。
しかし、「フリーライド」の面では、さらに幾つかのハードルがある。たとえば、消費者は商標間に関係があるとみなされる必要がある。ジャックダニエルの場合、名声によってEUIPOは高い関連性を認めた。
最後の問題は、出願商標が不正に優位性を利用する虞があるのか、有害なものであるのかということだ。EUIPOによると、消費者はジャックダニエルとジャックデービッドが異なる人として商標を認識するだろうが、ジャックデービッドがジャックダニエルの新しい種類として見ることもできる。また、消費者はジャックデービッドの商標がを見て、ジャックダニエルのことを想起する可能性もある。そのため異議は支持された。結論はスピリッツにジャックデービッドはありえないというものだ。