ソウル高等法院は、世界的に有名なKポップアーティストである「防弾少年団(BTS)」の所属事務所が出版業者を相手取り提起した図書出版差止仮処分訴訟において、BTSの写真を満載した写真集と類似する雑誌を出版する行為は、不正競争防止法第2条1号ル目所定の一般条項(Catch all)に違背する不正競争行為、または民法上の不法行為に該当して差止められるべきであると判断した(ソウル高等法院2019.5.20.2019ラ20078決定)。
裁判部は、(ⅰ)防弾少年団が持つイメージが莫大な顧客吸引力を有する経済的価値がある成果に該当すると前提した上、(ⅱ)出版社の雑誌発行態様をみたとき、芸能雑誌の通常の報道範囲内で写真/記事を掲載したというよりは、防弾少年団の顧客吸引力に便乗し雑誌の売上を上げることを主な目的としていた点、(ⅲ)出版社が雑誌を発行する過程で債権者の同意を得ていなかったにもかかわらず、写真の所々に「approved」、「quality 100% guarantee」等、需要者に混同を生じさせる文句を使用した点、(ⅳ)雑誌発行日からかなりの期間が経過した現在までも様々な所で雑誌が定価で取引されている点、(ⅴ)雑誌発行当時、防弾少年団関連記事がかなりの話題性を有しており大衆の関心が高かったとしても、本件雑誌は防弾少年団の顧客吸引力を利用した商品販売のためのものであった点等に照らし、出版社の行為は、当該所属事務所の法律上保護される経済的利益を違法に侵害する不法行為に該当すると判示した。
今回の判決は莫大な顧客吸引力を有する有名アーティスト/芸能人のイメージなどを無断で使用する行為について、パブリシティー権ではない不正競争防止法ル目所定の一般条項に基づいて所属事務所の差止請求権を認めた事例として意義が大きい。
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