特許庁は、我が国の産業財産権に関する国際的な情報発信の一環として、事件の種類、分野などに応じて法解釈や運用の理解に参考となると考えられる審決等(審決、異議決定、判定)の人手翻訳による英訳を提供している。
2020年2,3月分の商標に関する参考審決は以下の5件;
1.拒絶査定不服審判事件(請求不成立)
色彩のみからなる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者は、商品の美感等に資するため、商品に通常使用され得る色彩という商品の特徴を表したものと認識するにとどまり、また、使用をした結果、本願商標の色彩が識別力を生ずるに至ったとも認められないと判断した事案。(英文は こちら:審判番号2018-002128)
2.登録異議の申立(請求成立)
申立人商標は、ファッション分野において広く認識され、その独創性の程度、及び本件商標との類似性の程度は高いものであって、本件商標に接する取引者は,周知著名となっている申立人商標を連想し、その出所について混同を生じるおそれがあったというべきであると判断した事案。(英文は こちら:審判番号2018-900048)
3.拒絶査定不服審判事件(請求不成立)
提出された証拠には使用商品の宣伝や販売数量等を客観的に裏付けるものはなく、またアンケート調査結果により、一定程度の認知度は認められるものの、本願商標が周知性を有するとまではいえないと判断した事案。(英文は こちら:審判番号2012-005098)
4.拒絶査定不服審判事件(請求不成立)
商品の販売と、小売等役務の提供とが同一の者によって行われることは、商取引上、普通に見受けられるものであり、出所の混同の虞があるから、本願商標の指定商品と引用商標の指定役務とは類似であると判断した事案。(英文は こちら:審判番号2017-017053)
5.拒絶査定不服審判事件(原査定を取消し、登録)
本願商標の使用事実から、本願商標は、これを位置商標として、その指定商品に使用するときには、その商品の需要者をして、請求人の業務に係る商品の出所識別標識として認識されるに至っているということができると判断した事案。(英文は こちら:審判番号2018-009768)
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