侵害事件を見ていると、あまり食欲をそそられないロゴについての紛争であっても、食指が動かされることがある。Vicious Biscuit対Bad Biscuitのケースでは、米国南部にある2つのレストランの「Skull ‘n Pin(頭蓋骨と麺棒)」ロゴが問題になった。
店名からもわかるように、この2つのレストランの名物はビスケットで、ビスケットはアメリカ南部の名物料理だ。スコーンの一種だが、卵は使わず、スコーンよりふわふわしていて、スパイシーな料理と組み合わされることが多い。
地元紙「The Post and Courier」によると、原告のVicious Biscuit社は、この地域で最も古いロゴの1つである悪名高い海賊旗のバリエーションとして、コック帽をかぶった頭蓋骨と2本の麺棒のロゴを最初に使用したと解説している。Vicious Biscuit社は、Bad Biscuit社がコック帽をかぶった頭蓋骨と2本の麺棒のロゴを使い始めたことに気付き、Bad Biscuit社に対して当該ロゴの使用中止を求めた。
同紙によると、原告となるVicious Biscuit社からそれ以上のコメントを得られなかったが、被告となるBad Biscuit社のシェフは快く求めに応じて、「私のロゴは、『私がシェフであること』と、『人生で時々危険なことをするのが好きな、ただの楽しい男』であることを表している」。バイク好きで「死にかけたシェフと骸骨を関係付けた」とコメントした。
興味深い主張だが、裁判官に対してはあまり説得力がないかもしれない。しかし、この事件が実際に裁判になるかどうかは、被疑侵害者のBad Biscuit社がその後ロゴを変更したこともあり不明だが、交差した2本の麺棒はなくなっている。ただ、頭蓋骨とコック帽はまだウェブサイトにある。