2021-12-02

オランダ:本のタイトルに含まれる商標による侵害事件 - Knijff Trademark Attorneys

本のタイトルは、商標になり得るのだろうか?もし、商標が本のタイトルに使われていたら侵害にあたるのだろうか?オランダの裁判で本の出版を阻止するための興味深い戦略が明らかになった。

本が出版されるのを阻止したいと思うことは、それほど珍しいことではない。自分が著者ではなく著作の対象者である場合、書かれていることすべてに同意できないこともある。このような場合には、名誉毀損で提訴することが最も一般的な選択肢となるだろう。一方、商標権侵害での訴訟は戦略としてあまり聞かない。

Jiskefet(オランダのもう一つの言語であるフリジア語で「ゴミ箱」を意味する)は、1990年から2005年まで放送されたオランダの有名なスケッチコメディー・テレビ番組だ。
今年の初め、Noblesse出版社は、『Jiskefet百科事典』を出版すると発表した。テレビ番組のオリジナル制作者は、それも事前に知らされず、相談もされず、面白がられもしなかった。オリジナル制作者は、原稿のコピーを要求したが、無駄に終わり、商標権侵害で訴訟を提起した。 

ユーモアのセンスがない
商標権侵害で最も一般的なものは、登録商標と同一または極めて類似した商標を使って商品やサービスを提供することだが、この事件は、まさにこのケースに当たると、ベネルクスの文字商標(Jiskefet:出願番号1411750)の権利者で、テレビ番組のオリジナル制作者は主張した。

オリジナル制作者は、(最終的に原稿を読むことを許された)「Jiskefet百科事典」の内容が非常に平凡でユーモアのないものだと感じたが、この本の内容が違法であるかどうかは、本件の問題ではなかった。オリジナル制作者が唯一懸念したのは、この平凡な内容がテレビシリーズのオリジナル制作者によって作られたものだという誤った印象を読者に与えてしまうことだった。出版社によって、「Jiskefet」商標の名声と識別性を不当に利用され、さらに損害を与えられたと主張した。

まだ有名
裁判所は、「Jiskefet」という名称は、商品の販売に使用されたわけではなく、本のタイトルの一部として使用され、それは商品の内容を表したものと結論付けたが、出版社が「Jiskefet」ブランドの(継続的な)人気を不当に利用したとの認識を示した。
したがって、本の表紙には、この本が「有名なキャバレー・トリオ」に由来するものではなく、オリジナル制作者の関与や同意なしに作られたものであることを明示すべきであり、表紙に簡単には剥がせない大きなシールで、裁判官が指示したテキストを裁判官が決めた場所に正確に貼るよう命じた。なるべく早く。面白いことは何もない。

本文は こちら (Garbage Can: a trademark in a book title)