2021年の中国の知的財産権関連指標が発表された。各項目の統計データから、四つの特徴が伺える。
一、国内市場主体のイノベーション力が更に刺激された。2021年末現在で、中国国内の有効発明専利を保有する企業は29万8000社で、前年より5万2000社増加した。国内企業の保有する有効発明専利は190万8000件で、前年同期比22.6%増となり、全国の平均増加率を5ポイント上回った。このうち、ハイテク企業が保有する有効発明専利は121万3000件で、国内企業全体の63.6%を占めており、中国の市場主体の革新力、創造力の持続的強化が反映されている。
二、専利、商標の質権融資の規模が更に拡大し、普遍的恩恵が一層顕在化した。2021年の全国の専利、商標の質権による融資総額は3098億元に達し、融資プロジェクトは1万7000件で、1万5000社の企業が恩恵を受け、成長率はいずれも約42%であった。このうち1000万元以下の包摂的融資を受けた企業は1万1000万社で、融資を受けた企業全体の71.8%を占めており、中小零細企業にとって知的財産権の質権融資の包摂性が明らかに示された。
三、デジタル経済、医療分野の専利の蓄えがさらに強化された。世界知的所有権機関の35の技術分野の区分で統計をとると、2021年末現在で、中国の国内発明専利の中で有効数の増加率が最も多かったのは情報技術管理方法、コンピューター技術及び医療技術の三分野であり、それぞれ前年同期より100.3%、32.7%、28.7%増加した。これはコア技術分野の専利の蓄えが強化され続け、産業のアップグレードをより強力にサポートし、公衆の生命、健康及び日常生活にさらに恩恵をもたらすことを体現している。
四、外国企業の中国知的財産権保護に対する信頼感が更に高まった。2021年の外国出願人の中国発明専利権付与数は前年同期比23%増の11万件、中国商標登録数は同期比5.2%増の19万4000件であった。この中でアメリカ出願人の中国発明専利権付与数と商標登録数はそれぞれ32.1%と17.3%増加した。外国出願人の中国知的財産権数が比較的高い増加を保っていることは、外国企業の中国の知的財産権保護と経営環境に対する確信を表わしている。
以上が2021年の中国の知的財産権関連統計データの四つの特徴である。中国の専利、商標、地理的表示、集積回路レイアウトなどの知的財産権統計データは以下のとおりである。
一、専利について。中国の発明専利有効数は359万7000件。このうち国内
(香港、マカオ、台湾を除く)発明専利有効数は270万4000件。一万人あたりの高価値発明専利保有数は7.5件で、前年より1.2件増加。
2021年、PCT国際特許出願7万3000件を受理、このうち6万8000件は国内出願人によるもの。専利拒絶査定不服審判5万4000件、無効審判7100件を審判終了。
二、商標について。中国の有効商標登録数は3724万件。
2021年、中国出願人によるマドリッド商標国際登録出願5928件を受理。商標異議申立16万4000件の審査、各種の商標審判案件38万3000件終了。
三、地理的表示について。中国は地理的表示製品累計2490点を承認、団体商標、証明商標としての地理的表示累計6562件の登録を認可。
四、集積回路レイアウトについて。中国の集積回路レイアウトの証書交付件数は5万2000件。
五、知的財産権の保護、活用及びサービスについて。中国は累計57の知的財産権保護センターと30の知的財産権迅速権利保護センターを建設、国家海外知的財産権紛争対応指導センターと22の地方サブセンターを設立。
2021年末現在で、全国31の省(区、市)すべてが専利・商標業務の窓口の一本化を実現しており、省レベルの知的財産権公共サービス機関が52、市レベルの総合的知的財産権公共サービス機関が104に達している。
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