米国通商代表部(USTR)は2月17日、2021年版の模倣品・海賊版の悪質市場に関するリスト(Notorious Markets List)を発表した。悪質市場リストは、商標の模倣や著作権の侵害を実質的に行っている、あるいは助長しているとされるオンライン市場や実市場に焦点を当てている。
キャサリン・タイUSTR代表は、「世界的な模倣品・海賊版の取引は、米国における重要な技術革新や創造性を損ない、米国の労働者に害を及ぼしており、この違法な取引は、模倣品の製造に携わる労働者の搾取的労働慣行に対する脆弱性を高め、模倣品は世界中の消費者と労働者の健康と安全に重大な危険をもたらす可能性がある」と述べている。
「2021年の悪質市場リスト」には、実質的な商標模倣や著作権侵害に関与または助長しているとされる42のオンライン市場と35の実市場が特定している。これには、実質的に商標権侵害を助長しているとされる中国を本拠とするオンライン市場であるアリエクスプレス(AliExpress)とウィーチャット(WeChat)の電子商取引(EC)エコシステムが含まれている。また、中国を拠点とするオンライン市場であるBaidu Wangpan、DHGate、Pinduoduo、Taobaoも引き続きリストアップされており、中国国内にある、模倣品の製造、流通、販売で知られる9つの実市場もリストアップされている。
背景
USTRは、2006 年にスペシャル 301条報告書で初めて悪質市場を特定した。2011年2月以降は毎年「悪質市場リスト」をスペシャル 301条報告書とは別に発表している。
悪質市場リストは、商業的規模の著作権侵害や商標権侵害を取り扱ったり助長したりしていると報告されたすべての市場を網羅するものではなく、また、法令違反の発見や当該国の一般的な知的財産保護・執行状況に関する米国政府の分析を反映するものでもない。このような分析は、毎年4月末に発行されるスペシャル301条報告書に記載される。
本文は こちら (USTR Releases 2021 Review of Notorious Markets for Counterfeiting and Piracy)