2022-04-25

中国:不使用取消審査実務の変更について - Marks & Clerk

中国では、商標登録に使用は必須要件ではないので、通常、商標権者は、中国国家知的財産権局(CNIPA)に対して登録商標の使用を立証する必要はない。

但し、第三者から3年またはそれ以上の商標の不使用を理由に、登録の全部または一部の取消しを請求されることがある。このような場合、権利者は不使用取消請求日から遡って3年以内に中国本土で商標の有効な商業的使用を証明する証拠を提出することにより、その請求を防ぐことができる。第一審では、指定商品・サービスのうち、1つの商品・サービスに関する使用証拠があれば、すべての商品・サービスの登録を維持できていた。

しかし、最近の CNIPA の決定を見ると、より厳格なアプローチが第一審でも適用されているようである。CNIPA は、1つまたは複数のアイテムへの使用が証明されたサブクラス内のすべての商品・サービスに関して登録を維持しているようだが、どのアイテムの使用も証明されないサブクラスに関しては、部分的に登録を取消すことが実務上行われているようだ。

この第一審における新しいアプローチは、不使用取消請求の審判(第二審)で適用される実務により近くなっている。審判部の審判官は、数年前にこの厳しい基準を導入したが、現在は、不使用取消審査の第一審の段階でも同様のアプローチが適用されているように思われる。今のところ公式発表はないが、CNIPAは、不使用取消審査の審査基準を審判レベルと一貫したものにしたいと考えているように思われる。

これらの変更により、防護的な登録はリスクが大きくなる。もちろん、申立は依然として第三者からの請求によるところではあるが、不使用取消請求に直面した場合、防護的な商標登録の維持はより困難になるかもしれない。防護目的の商標登録は、合理的で費用対効果の高い抑止力になることに変わりない。重要なものに必要な投資をすることは当然であるとすれば、権利者は、その防護的商標のポートフォリオを不使用取消しの申立から逃れるために、3年ごとに再登録することによって、防護的商標戦略の弱点を回避することが可能であろう。

本文は こちら (Change in the practice of non-use cancellation in China)