2022年のプラギアリアス賞(Plagiarius Award)が発表された。
プラギアリアス賞は、模倣品が合法か違法かについては触れずに、製品やブランドに対する悪質な権利侵害に関する公衆の意識を高め、業界、政界、消費者を感化することを目的としたもので、ドイツのデザイナー、リド・ブッセ氏が1977年に模倣に対する皮肉を込めて創設した賞。「Plagiarius」はラテン語で「模倣品」「盗作」を意味している。
2022年プラギアリアス賞のTop3は以下のとおり;
第1位:カトラリー(食卓用のナイフ・フォーク・スプーン)セット、「KLIKK(3点セット)」
真正品(図上):Koziol ideas for friends GmbH(ドイツ)
模倣品(図下):製造:中国、販売:Are Media Pty Ltd(豪州)
真正品は、一見シンプルに見えるが、その構造は繊細で極めて複雑だ。デザイン賞も受賞した「KLIKK」の再利用可能なカトラリーセットは、巧妙な差し込み式接続、持続可能な素材と製造コンセプトが印象的だ。豪州の女性誌出版社「leading premium」は、ロイヤルティキャンペーンの一環として、このカトラリーの非常に粗悪な模倣品を使用した。外観が正確に一致するようにデザインされているが、プラスチック製で耐久性は配慮されていないため、短期間で変形してしまい、数回使っただけで全く使えなくなる。また、価格も3分の1程度の安価で販売されていた。
第2位:圧力計 (化学およびプロセス工学用)
真正品(図左):WIKA(ビカ)Alexander Wiegand SE & Co. KG、ドイツ
模倣品(図右):販売:Abdullah(アブドラ)Corporation、バングラデシュ
(圧力)測定器は、機械工学、オートメーション、食品・医薬品、化学・プロセス工学において必要不可欠なものだ。WIKAの製品は、極端な温度でも腐食性の強い物質でも、精度、品質、安全性を保証している。南アジアの粗悪な模倣品は、信頼できる精度も衝撃に対する強度もない。この模倣業者は、世界的に保護されている商標「WIKA」を悪用するだけでなく、「Made in Germany」と表示して、本当の生産地について購入者を欺いている。Klostermann 3D Messtechnikの非破壊検査では、摸倣品の測定ばねが小さすぎて、微調整ができず、EN837-1規格の1.0の測定精度が達成されていないことが判明した。圧力の誤調整による潜在的な危険性は高く、その後にかかるコストも高くなる。そのため、WIKAは模倣品に対して常に断固とした措置を取っている。
第3位:複列アンギュラコンタクト玉軸受 (スクリュードライブ用精密軸受)
真正品(図左):シェフラーテクノロジー AG & Co. KG、ドイツ
模倣品(図右):GIANT Bearing Co.Ltd.、中国
摸倣業者は、シェフラーなどの有名メーカーのブランド名から、製品、パッケージ、販売店証明書、バーコード、銀行の確認書まで、あらゆるものを恥ずかしげもなく模倣し、偽造している。製品の品質を除いてすべてだ。工作機械に使用される製品などでは、精度と信頼性が非常に重要だが、Klostermann 3D Messtechnikの非破壊検査では、寸法精度と製造品質に大きな違いを示しており、設置状況によっては予測不可能な結果が生じる。損害はシェフラーだけでなく、品質不良の責任を負う販売店や、その結果に耐えなければならない顧客にも及ぶ。そのため、シェフラーは知的財産の保護を世界中で一貫して行っている。
2022年のプラギアリアス賞は こちら