2022-05-31

EU:「DocuSign」は「Signadoc」の商標登録を阻止できるか? - Knijff Trademark Attorneys

「DocuSign」は、お察しの通り、文書に署名するための便利ツールで、この製品が何をするものなのか、これ以上の説明は必要ないだろう。ということは、マーケティング的には完璧なネーミングといえる。しかし、商標法の観点からは問題も多い。名称が説明的すぎないか?また、この商標は登録できても、その保護範囲はかなり限定されたものにならないのだろうか?

これらの疑問は、最近、「DocuSign」が行った「Signadoc」に対する商標登録の異議申立で明らかになった。EUIPO(欧州連合知的財産庁)が「DocuSign」という商標の登録を認めたが、当時の異議部門の判断は、この名称は説明的であるものの、登録できないとまではいえないというものであった。このことは、保護範囲は限定されていることを意味している。

次に、この限定された保護範囲が、「Signadoc」の商標登録を阻止するのに十分であるかどうかということである。先行する商標が限定的な保護しか受けていないにもかかわらず、答えは「イエス」であった。両商標は外観も称呼も類似し、観念も極めて類似している上に、両商標は全く同じサービスに使用されるため、互いに混同される虞を排除することはできない。「Signadoc」がもう少し違うものであれば、間違いなく結果は違ったものになっていただろう。

本文は こちら (Will DocuSign prevail against Signadoc?)