2022-05-18

NFTプロジェクトは知的財産で守ろう - Knijff Trademark Attorneys

NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)は、テレビやネットニュースでも大きな話題になっており、新しいプロジェクトが毎日立ち上げられている。一方で、残念ながら、詐欺師も多く暗躍しており、NFTマーケットプレイスで偽のコレクションの作成情報や提供情報を記載したダイレクトメッセージを送信し、購入希望者を惑わせている。詐欺師や作品をコピーする人から身を守るにはどうしたらよいのだろうか。いくつかのヒントを紹介したい。

1. マーケットプレイスにコレクションを登録する
最も人気のあるマーケットプレイスの1つがOpenSeaだ。OpenSeaは、コレクションがアーティスト/プロジェクトオーナーから発信されていることを確認するために青いチェックマーク(訳者注:コレクションがOpenSeaによって認証されていることを意味する)を使用している。
OpenSeaによると、青いチェックマークは、知名度の高い人や組織が作成したコレクションにのみ付けられており、「知名度の高いない人や組織がコレクションの認証審査を受けるには、OpenSeaで取引量が100ETH(イーサリアム:1ETH=27万円程度)以上でなければならず、また、すべてのコレクションを明らかにする必要がある。つまり、この取引量に達しただけでは、コレクションが自動的に認証されるわけではない」。さらに「この取引量に達した後、OpenSeaにプロジェクトチームにコレクションの信憑性と関与した個人を確認するための追加情報を要求される」。
始まったばかりのNFTプロジェクトにとっては、OpenSeaによる承認はかなりハードルが高い。

2. 制作過程の記録し登録する
芸術作品やデザインなどを創作し、その作品がオリジナルである場合、ほとんどの国で著作権による保護を受けることができる。多くの場合、著作権保護に登録は必要ない。著作権法には柔軟性があり、創作した作品のあらゆるバリエーションに適用することができる。特に独創性のあるNFTなどに有効だ。
著作権保護は創作によって得られるが、創作過程とその結果を登録することを勧めたい。これにより、ある日付にこのNFTが作成されたという証拠を得ることができる。
万が一、詐欺師や偽アカウントなどを見つけたときは、マーケットプレイスに連絡し、作成者であることが分かるように、これらの証拠を送るとよい。

3. NFTを意匠登録する
著作権による保護の他に、意匠として登録することも可能だ。意匠法では、(物品性のある)3Dデザインや2Dキャラクターを保護することができる。意匠登録をすると、あなたの名前で登録証が発行されるので、権利者としての確かな証拠になる。著作権とは逆に、意匠権は意匠ごとに発生するので、戦略的に登録することを勧めたい。
意匠登録と、日付付き著作権の登録があれば、マーケットプレイスに対して、あなたの所有権がより明確になる。また、取引相手や詐欺師を特定できれば、侵害を直接訴えることも可能だ。

4. NFTプロジェクトの名称とロゴを商標登録する
最後に、プロジェクトの名称とロゴを商標として保護することもできる。商標登録により、特定の国や地域(米国、欧州連合など)で名称やロゴを独占的に使用することができ、同一・類似の商標に対して異議を申立てることができる。

これらの登録があれば、詐欺師や偽アカウント、極めて類似するアカウントに対して、強力に対抗することができるのだが、知的財産権の専門家の支援を受けることも勧めておきたい。

本文は こちら (Protect your NFT project with intellectual property)