2022-07-27

EU:ハイネケン、モレッティ・ブランドの拡大でイタリアのモレッティから異議 - Knijff Trademark Attorney

 モレッティ(MORETTI)は、1996年にハイネケン社が買収したイタリアの老舗ビールブランドである。近年、オランダではイタリアビールが着実に人気を集めており、ハイネケン社はこの流れを好機と捉えてモレッティをオランダ市場に投入し、この5年間で最も成功したビールとなった。 

 この成功により、ハイネケン社は自社のブランドポートフォリオを見直し、どの商標が登録されていて、登録商標が将来の事業計画をカバーするのに十分かどうかを確認し、その結果、ビール以外の食品、フルーツジュース、その他のアルコール飲料、ホスピタリティサービスに関して追加出願する余地があるとの結論に達したものと思われる。これは、将来開発される商品やサービスを保護するための賢い方法であるように思われた。

 しかしながら、以前に「MORETTI」の商標登録できたからといって、新しい商品分野でも登録が保証されるわけではない。イタリアのワインメーカー、Poderi Morettiは、イタリアで登録した「MORETTI」商標を根拠に異議申立を行った。

 この事件で興味深いのは、この種の異議申立のほとんどは、混同の虞に基づいて行われ、有名な商標であればより広い保護範囲に許容される。しかし、もう一つの異議申立は、同一の商標で同一の商品・サービスの場合だ。同一の商標が出願されることは稀に起こる。今回の出願はその稀なケースで、商標と商品が同一であると判断したEUIPOの商標局(European Trademarks Office)がハイネケン社の「MORETTI」商標は権利侵害を構成すると決定するのに時間はかからなかった。

本文は こちら (Heineken’s Moretti vs Italian Moretti)