2022-09-01

韓国特許庁による「仮想商品審査指針」施行後の韓国商標状況は? - Kim & Chang

今年7月14日に韓国特許庁が仮想商品に関する審査指針を施行してから約一ヶ月半が経ったが、その間当事務所にも国内外の多くの企業や代理人事務所から様々な問い合わせが届いた。それらの中からいくつかをピックアップし、韓国における「仮想商品」の商標出願と関連するアップデート事項とともにご紹介したい。
 
Q. 新たな審査指針の施行後、多くの仮想商品関連出願があったか?
A. 仮想商品審査指針の施行前に、仮想商品に関連した商品を指定したとみられる商標出願は、2021年の17件から2022年は5月までの時点で717件に急増したが(特許庁発表資料)、同審査指針の施行後、公式統計情報はないものの、当事務所で確認してみたところでは2022年5月までの出願件数に迫る数の新規出願が最近一ヶ月半のあいだに行われたと推測される。
 
Q. 主にどのような国家・どのような業種で仮想商品出願への関心が高いか?
A. 外国では主にアメリカ、イギリス、日本などからの関心が高く、IT産業が活発な韓国の特性からか、非常に多くの韓国企業からも予想を超える数の問い合わせを受けている。業種別にみると、メタバースと関連が深いゲームやインターネット業界のほか、エンターテインメント、建設、マスコミ、情報通信、教育、化粧品、アパレル、ファッション、食品、製薬、自転車、釣り、金融、メガネ、流通業など非常に多岐にわたる分野から様々な問い合わせがあった。また海外からの、Webミーティングを通した制度紹介やプレゼン要請も絶えない状況である。韓国を含む各国他社が多様な仮想商品に対して韓国で新しい商標権を先行獲得する前に、積極的に自社の関連商標権確保を図るべき時期になったといえよう(参考に、日本でも知られているメジャーリーグ球団のマークやアイドルグループ「BTS」、酢飲料の「紅酢(ホンチョ)」等もすでに仮想商品に出願されている)。
 
Q. 仮想商品関連出願が多い商品区分は?
A. 仮想商品の特性上、やはり第9類への出願が大部分であるが、企業の事業内容によっては第35類(仮想商品関連小売業など)、第36類(金融業など)、第42類(メタバース関連プログラム開発業など)等のように各企業の事業と関連する役務に対してもメタバース関連出願を検討する事例がある。また、関連商品区分全般に対して「仮想○○」のような形で多様な仮想商品を指定し予め権利化しようという動きをみせている企業もみられる。
 
Q. 各企業が韓国で仮想商品に対する出願を検討ないし実行する理由は?
A. 韓国で仮想商品に対する審査指針が施行されるに伴い新たな類似群コードが新設され、当該類似群コードに新しい商標登録が可能になったため、もし第三者が同一または類似の商標を先登録する場合、後日それを是正するためにより多くの労力と費用を投じなければならなくなる。他人による不当な商標登録を阻止し、併せて新しい仮想商品に対して商標権を取得することがやはり主な目的と把握される。