財務省は、令和4年上半期の税関における偽ブランド品などの知的財産権を侵害しているとして輸入を差し止めた件数が12,519件であったと発表した。
前年同期と比べて14.3%減少したものの、11年連続で1万2千件を超える高水準が続いている。輸入差止点数は、404,684点(前年同期比12.4%減)と、1日2,235点の知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになる。
仕出国(地域)別の輸入差止件数では、中国が全体の72.9%(9,131件)で最多を占め、次いでベトナムが全体の9.6%(1,201件)であった。中国を仕出しとするものの構成比が依然として高くなっているほか、ベトナムを仕出しとするものが件数・点数ともに構成比で約1割を占める状況が続いている。
差止理由別では、偽ブランド品などの商標権侵害物品が94.6%(11,959件)で引き続き全体の大半を占め、次いで偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品が3.1%(392件)であった。
品目別では、財布やハンドバッグなどのバッグ類が27.6%(4,126件)と最も多く、次いで衣類が22.4%(3,348件)、靴類が13.7%(2,044件)、時計類が8.0%(1,188件)と続いている。
近年、越境電子商取引の進展に伴い、個人使用目的の模倣品等の輸入が増大していることから、個人使用目的の模倣品等の輸入の規制を強化すべく、令和3年5月に改正された商標法及び意匠法において、海外の事業者が模倣品を郵送等により日本国内に持ち込む行為について、権利侵害行為となることが明確化された。これを踏まえて、令和4年3月に関税法が改正され、海外の事業者が郵送等により日本国内に持ち込む模倣品が、「輸入してはならない貨物」として税関の取締りの対象となり、これらの改正法は令和4年10月1日に施行される。
これにより、個人で使用する場合であっても、海外の通販サイトで商品を購入した場合など、海外の事業者から送付される物品が模倣品(商標権又は意匠権を侵害するもの)である場合、税関による没収の対象となる。海外の通販サイトなどで商品を購入する場合に限らず、国内の通販サイトで購入した商品であっても、海外から直接送付される場合は注意が必要だ。
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