概要
最近、Louis Vuitton Malletier(以下、ルイ・ヴィトンまたは原告)対 Javed Khan & Ors(以下、被告)の事件で、デリー高等裁判所は、被告が「LVロゴ」の「LV」を使用しないこと、およびルイ・ヴィトンに対して訴訟費用のINR1,00,000(約180万円)を5分割で支払うとの声明を基にルイ・ヴィトンを支持する判決を下した。
事件
この事件は、「Jay Kay Sales」の商号で履物と紳士服の卸売りを行っているJaved Khan(被告1)とインドの起業家Bilal Khan(被告2)が、「LVロゴ」の付いた履物を販売するとともに、履物にバックルという形で「Lee Vanz」の名のもと「LVロゴ」を使っていたことをルイ・ヴィトンが発見したことから始まった。原告はまた、身元不明のAshok Kumar(被告3)が「John Doe」をコンセプトにwww.olvikart.comというウェブサイトでオンライン電子商取引ポータルを運営し、インスタグラムなどのSNSハンドル名でユーザーを誘導し、そこでロゴの付いた履物、腕時計、その他のアクセサリーなどの模倣品を販売していることも発見した。
侵害訴訟で、原告はLVマークに関するインドでの商標登録に依拠し、「LOUIS VUITTON」商標はその特徴的な花とロゴとともに原告の独占的なものであると主張した。
裁判所は2021年12月9日付けで、被告に対する仮差止命令を発出し、地方検査官(Local. Commissioners)を任命して被告1号および2号の敷地を視察するよう指示した。視察の際、地方検査官は「LVロゴ」の付いた商品を被告の2施設から合計343組押収した。
被告は裁判所に出頭し、原告との紛争を終結させることに合意した。被告は訴訟費用として総額INR1,00,000を支払い、「LV ロゴ」や原告の他のマークを使用しないことを約束した。原告は、被告が「LVロゴ」の「LV」を使用しない限り、「Lee Vanz」の標章を使用することに異存はないとした。また、被告は原告の弁護士を前に、押収品から「LVのバックル」を取り外し、履物を個別に処理することに同意した。
結論
裁判所は両当事者の供述に基づき本訴訟を効率的且つ迅速に終了させることができ、ルイ・ヴィトンは「LVロゴ」に対する権利行使を成功させた。
本事案は、インドの知的財産裁判所が最近採用した迅速かつ効率的な紛争解決メカニズムの例であり、これにより、ブランドオーナーは、必要に応じて摸倣業者に対する権利行使を容易に行うことができるだろう。
本文は こちら (Delhi High Court: Louis Vuitton successfully enforces rights in its LV (logo) marks.)