最近、ちょっと変わった商標がEUIPO(欧州共同体商標庁)に出願された。それは、角型チーズの形をした帽子だ。EUIPOは、この形状がとてもユニークであるとして商標登録を認めた。
しかし、この背景には何があるのだろうか。チーズの形をした帽子(cheesehead hat)に続いて、さらにチーズに関連した製品が登場しているらしい。この商標権者は、ラグビーボールやマグカップなど、チーズを模した商品で知られている。米国ウィスコンシン州にはチーズ製造業者が多いことから、「Cheesehead」はよく知られた概念であり、実際にウィスコンシン州の住民は「cheesehead」と呼ばれている。アメリカンフットボールのグリーンベイ・パッカーズのファンが試合でこの帽子をかぶったことで、「Cheesehead hat」はより広く知られるようになった。
このように、奇抜なデザインで個性を演出することは、ますます人気の高い戦略となっていいる。形状商標(または意匠)を保護するために、登録することを検討することは確かに価値がある。 しかし、形状商標は、その美的価値にのみ基づいて購入されるのではない。最近の判例法に従って、このような要件範囲は狭く解釈されなければならないことが知られている。EUIPOは、この商標登録を認めることで、この解釈を継続することを示したといえるだろう。