2023-01-11

EU:商標「WHITE CAT」に対して行ったキャタピラー社の異議申立ては? - Kneff Trademark Attorneys

 イモムシ(caterpillar)の略語と白猫(white cat)には、いったいどんな関係があるのだろう?このような疑問が湧くからこそ商標法は面白い。商標やパッケージが互いに類似するのかしないのか。また、新しい画期的なデザインを最大限保護するにはどうしたらいいのか、などなど。

 今回の事件は、キャタピラー(CATERPILLAR)という会社が、自社の登録商標である「CAT(CATERPILLARの略称)」に基づき、EUIPO(欧州連合知的財産庁)に出願された「White Cat」商標に対して行った異議申立に関するものだ。

 商標を比較する際、当局はどの要素が要部であるかを常に判断しようとする。「White Cat」という商標は、形容詞である「White」と名詞である「CAT」から構成されている。一般的には、形容詞によって表現されるのは名詞であるため、名詞が要部と推定されるが、今回のケースでもそのような判断が下された。

 キャタピラー社は、自社のロゴが昔からある商標であると主張した。確立された判例法によれば、ほとんどの場合、識別力のある文字がロゴによってもたらされる全体的な印象を支配する。図形要素も商標の識別性に寄与することはあるが、今回のケースでEUIPOは、「CAT」ロゴの図形要素は純粋に装飾的であると判断した。

 そうすると、残された問題は、文字「CAT」を要部とする「CAT」ロゴと、「Cat」を要部とする「White Cat」だ。商品の一部は同一のものである。したがって、EUIPOは、商標間に混同が生じるおそれがあるとして異議申立を認め、「White Cat」の商標登録を拒絶した。このこと自体は、驚くにはあたらない。

本文は こちら (CATERPILLAR CAT VS WHITE CAT)