2023-02-27

EU:「デジタル・ドリンク」になるフランスの有名ワインに異議申立 - Knijff Trademark Attorneys

 もし誰かが「デジタル・ドリンク」について話し始めたら、対面での付き合いが難しかった新型コロナウィルスがまん延した時のことかと思うかもしれない。有難いことに、そのような時は終わりつつある。

 今回は、フランスの超高級赤ワイン、ペトリュス(Petrus)の商標出願についてだ。実物ワインの商標はすでに登録されているので今回の商標出願とは関係ないが、昨年ペトリュスは、他の多くの商標権者同様、仮想商品つまりデジタルワインの商標を出願した。現実世界で需要のある商品は、メタバースやその他の仮想世界でも同様に需要があると考えたのだろう。そこで、ブランド名やロゴを含む実際のボトルイメージの商標などを、仮想商品、NFT(非代替性トークン)及び関連するサービスを指定してEUIPO(欧州連合知的財産庁)に出願した。 

 これらの商標は、特定の商品について何年も前からよく知られ、確立されてきたものだが、異なる商品区分に進出すれば、これまでと異なる商標権者やブランドが立ちふさがり、これまでとは異なる問題が出てくることになる。金融サービスに関する商標を登録しているPetrus Advisersは、すべての出願に対して異議を申立てたが、対象は36類のサービス(NFTの取引)のみであった。

 このような異議申立ては、商品やサービスの記載を調整するか、双方の商標が平和的に共存できるような基本合意書を作成することで解決されることが多い。しかし、今回のケースでは、ペトリュスが異議申立てに対して、相手方に使用証拠を提出するよう求めている。
続く…

本文は こちら (A digital drink)