2023-03-14

2022年の国際商標出願は前年度比6.1%減、出願件数ランキング日本企業トップは資生堂 - WIPO

 

 2022年のマドリッド制度を利用した商標の出願件数は69,000件に達した。しかしながら、15%という非常に高い伸びを示した2021年の翌年ということもあり、2022年の出願件数は6.1%減少した。国別で最も多く出願を行ったのは米国(12,495件) で、以下、ドイツ (7,695件) 、中国 (4,991件) 、フランス (4,403件) 、英国 (4,227件) の順となった。日本からの出願は3,145件でスイス(3,745件)に次いで6位であった。
 トップ15の出願国のうち、オランダ (+7.4%) 、韓国 (+2.1%) 、トルコ (+5.2%) の3ヶ国だけが、2021年から2022年にかけて出願件数が増加した。一方、ドイツ (–12.5%) とイタリア (–13.9%)では急激な減少が見られた。
 2021年は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックがもたらした経済的混乱によって、企業が新たな商品やサービスの導入に動き、それが国際商標保護の急拡大を促した。2021年と比較すると低くなったが、2020年の出願件数と比べると2022年は8%の増加を示している。

 個別の出願人では、フランスのロレアル (L’Oréal) が160件の国際出願を記録し、2022年も2年連続で出願件数のトップを維持した。スイスのノバルティス (Novartis AG:131件) が3つ順位を上げて2位となり、次いで英国のグラクソ・グループ (Glaxo Group:128件) 、ブルガリアのユーロ・ゲームズ・テクノロジー (Euro Games Technology:120件) 、韓国の現代自動車 (Hyundai Motor Company:108件) の順となった。現代自動車の出願件数は、2022年には2021年から77件増え、その結果、48位から5位へと急浮上した。オンラインの食品配達・集荷を手がける米国のメイプルベア (Maplebear Inc.:82件) も、2021年から2022年にかけて出願件数が78件増加し大幅な伸びを示し7位に入った。
 ランキング50位以内の日本企業では、6位の資生堂(92件)をトップに、10位の任天堂(70件)、24位の美津濃(44件)、48位のバンダイ(28件)が続いている。

 WIPOが受理した国際出願のうち最も多く指定された分類は、コンピュータハードウェア・ソフトウェアおよびその他の電気電子機器であり、2022年合計の11.3%を占めた。次いで、事業向けサービス (8.8%) 、科学技術サービス関連 (8.5%) の順となった。
 2022年の出願件数及び指定分類総数は全体で減少したが、出願件数の多い15の分類のうち、金融、銀行、保険および不動産サービスを対象とする分類 (+13.9%) と、教育、訓練、娯楽、スポーツおよび文化活動のためのサービスを含む分類 (+8.3%) が著しい成長を見せた。一方、医薬品 (–12.2%) 、化粧品 (–12.0%)、外科・内科・歯科・獣医用器具・機器 (–14.0%) は、2020年から2021年にかけては大きく増加したが、2022年は大幅な減少となった。