2023-03-24

EU:二匹のウサギの商標紛争、控訴審では著名性が認められた - Knijff Trademark Attorneys

 以前の記事(二匹のウサギの商標紛争、著名性立証の難しさ)で、ミッフィーの商標権を所有するオランダのメルシス社が、一見かわいいエッチなウサギの商標に対して行った異議申立について取り上げた。

 異議申立の一部は認められたものの、メルシス社がミッフィーの著名性を十分立証できなかったため、EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、異議申立を受けたうさぎの商標は性的な玩具に使用できるとの判断を下した。メルシス社はこの決定を不服として控訴した。

 控訴裁判所は、ミッフィーが少なくともオランダでは非常に有名であると認められると述べていることから、ミッフィーの評判をまったく別の角度から見たのだろう。メルシス社の提出した証拠はミッフィーの著名性を十分証明していると判断した。メルシス社は、控訴審においてミッフィーがオランダの文化遺産の一部であり、ユニークな商標であり、「ミニマリズム(色や形を極度に単純化しようとする抽象絵画および彫刻の運動)の象徴的な存在」であると述べている。

  控訴審では、ミッフィーの著名性から商標の類似性や両商標間に公衆が認めるおそれのある関連性が考慮され、係争商標を性的な玩具に使用することがミッフィーブランドにとって非常に有害であるとして、異議申立が全面的に支持された。

 これはメルシス社にとってとても良いニュースである。控訴裁判所がこのように強い言葉でミッフィーの著名性を認めたことでメルシス社に更なる恩恵がもたらされたことになる。

本文は こちら (Miffy and a naughty bunny, part II)