ベルギーのサッカークラブ「Club Brugge(クラブ・ブルージュ)」は、小さな王冠と「FCB」の文字をあしらったバスケットボールに似たボールからなる新しいロゴ商標(下図左)をEUIPO(欧州連合知的財産庁)に出願した。この商標は、化粧品、かばん、イベントの開催など幅広い商品・サービスを指定して出願された。このロゴが新しいクラブロゴになるかどうかは分からないが、マーチャンダイジング用のロゴとして使用される可能性もある。
しかし、この出願商標は異議申立てによって頓挫させられた。「FCB」といえば、FCバルセロナ(スペインのバルセロナに本拠地を置くサッカークラブ)を思い浮かべるが、異議を申立てたのはFCバロセロナではない。
米国のFCB Worldwide, Inc.は、EU商標「FCB(下図右)」を所有し、広告分野で活動している会社だ。この会社が、クラブ・ブルージュの商標に対して異議申立てを行った。特に問題になったのは、第35類のサービスを指定した出願商標「FCB」のようだ。
(幾つかのアルファベットからなる商標で何かの略語である)文字商標の問題は、商標登録で頻繁に同一の商標に出くわすことだろう。2つの文字商標が全く異なる名称(この例だと、「Football Club Brugge」と「Foote, Cone & Belding」)であっても略語は同じになる。結局、略語は問題になることが多いということだ。