1950年代から60年代にかけて活躍したフェラーリのレーシングカー「250テスタロッサ(250 Testa Rossa)」は、当時で数千万円の値が付いたという。専門家によると、この車はフェラーリの職人技が光るユニークなもので、まさに夢のマシンだという。
フェラーリは最近、この車の形状を商標として登録する申請を行った。フォルクスワーゲンのバンやフィアット500、シトロエン2CVなどは、ユニークなデザインから一目でそれと分かるとして欧州で商標登録されている。
一方、フェラーリの250テスタロッサについて、欧州商標局は十分に特徴的なデザインであるとは認めなかった。つまり、250テスタロッサの形状が市場に出回っている他の車と大きく異なっておらず、法的に形状商標の登録要件を満たしていないと判断された。
欧州商標局は、対象となる公衆が注目するのは主にエンブレムであって車の形状ではないとし、この裏付けとしてシェルビーコブラ(Shelby Cobra Snake)、ジャガー・Eタイプ、デヴィン SS(Devin SS)の写真を示した。そして、フェラーリの意見書も退けた。フェラーリは、おそらく上訴して250テスタロッサの識別性を欧州商標局に認めさせる最後の試みをするものと推察するのだが…。