2023-05-15

EU:知的財産権の出願人と権利者の約2%が詐欺の請求被害!? 対策ガイドを公開 - EUIPO

 欧州刑事警察機構(Europol)は、欧州連合知的財産庁(EUIPO)と共同で、知的財産権の出願人と権利者を、不正な支払請求で欺こうとする詐欺的な行為から保護するための新しい対策ガイドを公開した。「詐欺師に対して賢く行動しよう!」と銘打っている。

 このガイドは、「知的財産制度利用者のための人を惑わす支払請求への対策ガイド(Procedure manual on handling misleading payment requests for intellectual property system users)」で、以下の内容が含まれている;
* 不正な請求や人を惑わす請求に直面した場合の重要な問題
* 詐欺の背後にいる詐欺師のプロフィール
* 人を惑わすコミュニケーションを特定するヒント
* 出願人と特許事務所がどのように自らを守ることができるかに関する情報

 Europolの分析によると、知的財産権の出願人と権利者の約2%(推定8000人)の被害者が、このような詐欺のターゲットになる可能性があり、一人の詐欺師が年間1600万ユーロもの利益を生み出すことがあるという。

 対策ガイドでは、知的財産権の出願人と権利者は、出願した瞬間から脆弱であり、注意すべきものは人を惑わす請求書による脅威だけではないとし、知的財産権を登録するための手続きは、出願人、特に代理人を持たない出願人にとっては、知的財産権を保護できなくなることを恐れて不安になりやすいものである。さらに、詐欺師は権利存続期間の終了間近の知的財産権所有者をターゲットにして、EUIPOが所有者に正式に連絡する前に、高額な料金で登録更新を通知することがよくある。

 EUIPOは、知的財産権の登録や更新に関して、郵便や電子メールで請求書を送ることは決してないということを、EUIPOの利用者は知っておいたほうがよい。

 犯罪者は、受取人が多忙なスケジュールの中、請求書などを十分に確認していないことを利用し、一見して正当な請求書に見えるようにしている。
このような詐欺的行為から資金を回収することは困難であり、保証されるものではない。したがって、支払いに際しては細心の注意を払い、知的財産権に関連する通信に対処することを強く勧めたい。

 対策ガイドは、知的財産権の出願人および権利者や欧州の法執行機関、知的財産庁および関連する民間企業のパートナーにとって有用であることを意図したものだ。

対策ガイドは こちら
本文は こちら (Europol and EUIPO release procedure manual to combat misleading invoices