2023-08-24

EU:マイクロソフト・ディフェンダーは自分を守れるのか - Knijff Trademark Attorneys

 2019年、マイクロソフトはアンチウイルスプログラムの名称をウィンドウズ・ディフェンダー(Windows Defender)からマイクロソフト・ディフェンダー(Microsoft Defender)に変更した。この変更により、欧州連合(EU)に商標の登録出願をすることになった(3年遅れだが)。この遅れがマイクロソフトにとって痛手となる可能性がある。現在、この出願は2つの企業から攻撃を受けているのだ。 

 1社目の異議申立は、アンチウイルスソフトのビットディフェンダー(Bitdefender)からだ。ビットディフェンダーが欧州商標「Bitdefender」を登録したのは2021年である。マイクロソフトがもう少し早く商標登録していれば、おそらくもっと強い法的立場にいられただろう。
 ここでの問題は、「Microsoft Defender」と「Bitdefender」が類似しているかどうかだ。「Bit」と「Microsoft」の要素は全体の印象に大きな影響を与えるので、この異議申立の結果は確かに興味深い。

 2社目の異議申立は、全く異なる業種の企業からであった。高級車メーカーのジャガーは、第9類の商品を指定して登録された古い商標「DEFENDER」を根拠に、マイクロソフトの商標に対して異議申立を行った。しかし、ジャガーの商標も第三者から取消を請求されている。ジャガーの商標が存続するかどうか、マイクロソフトにとっても影響が大きいので、この取消請求の結果は「MICROSOFT DEFENDER」商標にとって重要だろう。というのも、もしジャガーの商標が存続した場合、マイクロソフトにとって障害となる可能性があるからだ。マイクロソフトは、「MICROSOFT」が要部であるため商標間に類似性はないと主張するのは間違いないが、それでも「DEFENDER」の要素はジャガーの商標と同一であることに変わりはない。 

本文は こちら (Defending Defender)