2023-09-19

ベトナム:知的財産法の実施に係る新しい政令を8月23日に公布、即時施行 ― Tilleke & Gibbins

2023年8月23日、ベトナム政府は、工業所有権の設定及び保護に関する2022年知的財産法の一部の条文の詳細及び実施に関する政令第65号/2023/ND-CPを公布した(以下、「政令第65号」)。政令第65号は、政令第103号/2006/ND-CPおよび政令第105号/2006/ND-CPの一部を置き換えるもので、公布と同時に即時発効し、2023年1月1日に施行された知的財産法の実施に必要なガイダンスを提供している。以下は政令第65号の重要な条項だ;

工業所有権の設定
設定手続き:工業所有権の設定手続は、政令第65号に規定されている。これには、特許のPCT出願及び商標の国際登録出願に関する手続、並びに意匠のハーグ出願に関する(新たに追加された)手続が含まれる。また、政令第65号は、国家安全保障に影響を及ぼすとみなされる技術分野を列挙した附属書を含む、発明の安全管理手続きの詳細を規定している。

政令第65号は、登録証が電子的および紙で発行できることを確認している。ただし、紙の登録証は、出願書類に明示的な要求がある場合にのみ発行される。また、発明、意匠、集積回路、地理的表示などの出願書類を含む様々な新しい書式が規定されている。 

権利者、内容、権利の制限:地理的表示を使用する組織および個人の権利と責任についての詳細が規定されており、さらには、知的財産法第131a条に規定されている、医薬品使用許可証に関する手続の遅滞による発明所有者への補償についても規定されている。

秘密発明:政令第65号は、秘密発明の特定と特許出願の処理、および秘密発明として出願された特許を解読(decodifying)する手続きの詳細を規定している。

補正: 政令第65号は、商標見本を補正する場合、権利を要求しない軽微な要素のみを削除することができ、その削除は登録商標の識別力を変更しない場合に限ることを明確にしている。また、商標登録の補正に必要な書類も簡素化されている。 

譲渡:政令第65号では、商標を付した商品の性質または出所について混同を生じさせるおそれのある商標権の譲渡の制限に関する規定が追加された。

異議申立:国内出願に対しては異議申立も第三者からの情報提供も可能だが、ベトナムを指定する国際登録出願に対しては異議申立手続はない。第三者からの情報提供制度のみが出願審査の参考資料として利用可能となる。

工業所有権の権利行使
侵害行為、性質、侵害範囲の決定:政令第65号は、ベトナムにおけるインターネット上の侵害行為の定義をより具体的に修正するものである。特許、集積回路、意匠、商標、地理的表示、商号、地理的表示の侵害を構成する要素を決定する根拠は、ベトナム国家知的財産庁の引用(Extract)を含むように拡張された。商標、商号、地理的表示の侵害を構成する要素は、具体的な詳細を提供するために改正された。 

損害の決定:政令第65号は、物的損害の認定について、収入・利益の減少、事業機会の損失、損害を防止・救済するための合理的費用など、詳細な根拠を定めている。政令はまた、著作者人格権の価値を重視するベトナム政府の姿勢を反映し、著作者人格権損害の認定についても詳細な根拠を導入している。 

知的財産権侵害の処理手順:知的財産権侵害品の処理は、関係当局の決定または知的財産権所有者の要求によって実施されるようになった。これにより、当局の裁量のみによって措置が実施されるのではなく、新たな措置の手段がもたらされた。

非営利目的で侵害品を配付又は利用する方法に適用の基準の改訂のほか、侵害品の没収という措置は廃止された。

工業所有権に関連する輸出入商品の管理手続き:政令第65号は、侵害の明らかな兆候を示す商品の税関手続きを積極的に停止する権限、命令、手続きに関する具体的な詳細を追加した。

侵害の査定:政令65号は、知的財産評価(鑑定)の実施手続きに関する新たな規定を定めた。

政令第65号が公布される以前は、改正知的財産法の実施におけるいくつかの問題を解決するために、知的財産庁は、知的財産実務家が適切に処理するための情報だけでなく、内部手続に関するガイダンスを提供する必要があった。政令65号により、これらの問題が解決されることが期待される。

本文は こちら (New Decree Guides Vietnam’s IP Law on Industrial Property Rights)