2023-09-14

EU:夏の思い出、アイスクリームの異議物語 - Knijff Trademark Attorneys

 夏とアイスクリームは相性がいいと思う人は少なからずいるはずだ。しかし、夏の休暇から戻ってきた今、あの素敵なアイスクリームの思い出は少しずつ遠ざかっていくだろう。

Jezykiの商標

 パッケージされたアイスクリームは、主にその名前、ロゴ、形状によって見分けられる。アイスクリームのコルネット(Cornetto)、マグナム(Magnum)、カリッポ(Calippo)と言われれば、すぐにその形状が思い浮かぶ。しかし、これだけの識別で形状商標が十分機能するかどうかは、市場における普及度など他の側面も考慮しなければならないため難しい判断だ。ブランド名とロゴとを一緒に図形として商標出願するのが一般的で、その方が厳しい登録要件を回避しやすいからだ。最近の例では、Jezykiアイスクリームがある。

 このJezykiアイスクリームの登録商標を根拠とした異議申立が、フェレロ・ロシェ(Ferrero Rocher)のアイスクリームの商標に対して行われた。この2つのアイスクリームの形状は、この異議申立で大きな役割を果たすことだろう。Jezykiはおそらく、登録商標はブランド名と形状を組み合わせたものだと主張すると思われるが、フェレロ・ロシェは間違いなくこれに反論するだろう。但し、フェレロにとって問題なのは、アイスクリームの形状を軽視しすぎる主張をすると、自社のアイスクリームにも影響を及ぼしかねないことだ。

 いずれにせよ、夏休みの思い出をもう少し記憶に留めておくことができる興味深い事件ではある!

フェレロ・ロシェの商標

本文は こちら (Summer time blues)