2023年9月14日に、最高人民法院は、2023年独占禁止と不正競争典型案例を10件公表した。その内、独占禁止の典型案例と不正競争の典型案例がそれぞれ5件となる。
5件の独占禁止の典型案例の内、市場における支配的地位の濫用に関わる事件は3件、主要争点は、不公平な高価・取引制限・不合理な取引条件・取引拒否となる。その内、「クエン酸ロラタジン原料薬に関わる市場における支配的地位の濫用訴訟」は、取引制限行為による封鎖的効果と特許権行使との間の関連性及び判断基準に対する初の解釈となる。残りの2件は、独占協定に関する事件であり、それぞれ水平的独占協定と垂直的独占協定の事件である。
5件の不正競争の典型案例は、それぞれ不正競争の一般的条項の適用 ・混同行為 ・虚偽宣伝 ・技術秘密侵害・ネット上における不正競争に関わる事件となる。その内、シーメンス模倣品・混同品訴訟において、知名商標の保護強化、及び不誠実な商標パクリ行為、ただ乗り行為、模倣品を厳罰するという方針の下で、侵害側の侵害額と被侵害側の損失額の具体的な金額を確定するための証拠が不足している中、侵害額が明らかに法定賠償金額の上限を超えたと認定できるため、諸要素を総合的に考慮の上、被侵害側の主張額を全面的に認めた。
2023-10-30